研究概要 |
平成7年度は平成元年に実施した生活習慣質問紙調査のうち食品摂取頻度、食習慣、量に関して、性、年齢、地域別の集計をした。その結果、性・年齢による差だけでなく、県内の同じ群の中でも食生活にやや地域差のあることが認められた。また、同データの食品摂取頻度をもとに食物消費構造が検討できるかを主成分分析、分散分析、などを用いて検討した。その結果、食品摂取頻度からも近代的、伝統的、副食に関する抽出ができ、かつ性差地域差年齢との有意な関係などが認められた。 山梨県3町村の平成元年から平成5年までの5年間の死亡データについて、各年日下部保健所保管の死亡小票を転記したものから死因のデータを得て、平成元年に実施した生活習慣質問紙調査に回答している対象者9,121名から30歳未満の回答者を除いた9,068名とレコードリンケージさせた。リンケージできたものは488名(平成6年度に新たに16例をリンケージさせた。)であった。このデータを基に、性・年齢を考慮した上で、健康習慣と生死、調査時の健康状態、既往歴・医療経験との関連をロジスティックモデルにより検討した。健康習慣はBRESLOWの方法に準じた。その結果、良い健康習慣を持つ者は、生存率が高く、調査時健康状態も良く、概して既往歴も少なく、入院、輸血の経験なども少ないことが判明した。 佐久市については約28,000人の生活習慣調査データと循環器登録のデータを用いて、脳卒中のリスク要因を分析した。脳梗塞は高血圧、心疾患の既往、飲酒が正の、脳出血は高血圧の既往、飲酒が正の、クモ膜下出血は高血圧の既往が正の、くだもの、タンパクの摂取が負のリスクとなった。
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