研究概要 |
平成5年6月にラット(7週令のSPF雄性Fischer系ラット)を購入し、1週間室内環境に順化後、回転籠による自由運動群と同型の回転籠だがストッパーがついていて、回転しない籠で飼育されたコントロール群にラットをそれぞれ12匹づつ分けて、3カ月半飼育した。飼育条件は温度25±2℃、湿度60±10%、12時間明暗(明時9:00-21:00)のSPFの環境が保たれる半バリヤー飼育室内にて、飲料水として蒸留水を、飼料として高圧滅菌をした日本クレア製CE-2飼料を与えた。飼育終了2週間前(解剖の日が凝集抗退価の上昇期)に細菌(Salmonella enteritidis生菌)を尾静脈から投与した。9月下旬にNBT試験用の採血を尾静脈よりおこなった後、エーテル麻酔下で解剖をおこない、股動脈より全採血を行った。さらに、各臓器を採取し臓器中のミネラルの測定を行った。おもな測定項目は次の項目である。(血液学的検査)Hb、Ht、RBC数、WBC数、白血球分類等、(臨床生化学検査(自動生化学分析装置による)):GOT,GPT,CK,LDH,ALP,BUN,CRE,UA,GLU、TG,T-CHO,HDL-CHO、過酸化脂質等;(血清蛋白(ネフェロメーターによる)):IgG,IgM,IgA,C3;(遊走・貧食・殺菌能試験と抗酸化酵素の測定):遊走能試験、NBT試験(貧食・活性酸素能の測定)。現在ほとんどの項目の測定を終え、結果をまとめている。 まだ最終結果ではないが、次のような結果が得られた。 1)肥満欲制効果:運動群は摂食・摂水量が大きかったにもかかわらず体重は低かった。 体重と脂肪組織重量、運動量と脂肪組織重量との間に正の相関がみられたばかりでなく、運動群は中性脂肪、総コレステロールともに有意に低値を示した。 2)脂肪肝の予防:運動群は肝臓重量で有意な低値を示したばかりでなく、血清中GOT,GPTの値も有意に低かった。 3)好中球機能:運動群では適度な自由運動により好中球内のぶどう球菌貧食能と活性酸素発生との関係が有意の相関を示した。
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