研究課題/領域番号 |
05670330
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
前原 直樹 財団法人 労働科学研究所, 労働生理心理研究部, 主任研究員 (60165660)
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研究分担者 |
渡辺 明彦 労働科学研究所, 労働環境保健研究所, 主任研究員 (30072648)
澤 貢 労働科学研究所, 労働生理心理研究所, 特別研究員
漆原 庸子 労働科学研究所, 労働生理心理研究所, 研究員 (70270543)
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キーワード | 重量物運搬・挙上 / 重量 / 荷姿 / 血圧 / 把持力 / 静的筋収縮 / 中高年 / 高血圧者 |
研究概要 |
【目的】中高年者にとり循環器系への負担の少ない運搬・挙上のあり方を検討した。 【方法】(1)重量物の条件:高さ条件;25〜130cm、重量条件;5〜20kgの同型重量物(ケースを含め)、荷姿;取っ手部分が細長い形状で、プラスチックケース、作業課題;高さ60cmの台から所定の高さに10秒間隔で5ないし14回の積み込み作業。(2)被験者:22〜57歳の12名の男性、身長は163〜181cm、体重は47〜85kg、(3)把持力測定:静電容量型圧力センサー(横浜システム)を各指の腹部に装着、測定。(4)血圧測定:容積補償法に基づく携帯型の非観血的連続血圧測定装置で行い、部位は前額部の浅側頭動脈とした。(5)筋電図測定:尺側手根屈筋、上腕二頭筋、三角筋、僧帽筋、体幹起立筋(左右)、大腿外側広筋の表面筋電図を記録測定。(6)エネルギー代謝率(RMR):ダグラス・バッグ法にて呼気量及び呼気中酸素・二酸化炭素の含有量からエネルギー消費量を測定。(7)自覚症状調べ:BorgによるNew PREのスケールにて「きつさ」の程度を測定。 【結果】(1)RMRは高さ110、130cmに20kgを積み上げる条件では平均6.6、15kg条件でも5.4と高値を示した。心拍数も20kg条件では平均して120bpmを超えていた。平均PREは「非常に強い」というカテゴリーであった。高さ110、130cmへの20kgないし15kgの積み上げ条件で、各筋における最大筋力比は、他の高さ、重量条件に比べて際だった高値を示した。(2)血圧反応では、20kgの条件で大きな上昇が見られた。心拍数、RMR、自覚症状、筋電図の結果から、同じ重量物の挙上でも、使用する筋群に対する負荷の違いにより血圧への影響は大きいことが示唆された。56歳の高血圧者では同年齢の正常血圧者に比べて、荷の積み上げ作業中の血圧の変動幅が大ききことが示された。
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