研究課題/領域番号 |
05670336
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 庄亮 群馬大学, 医学部, 教授 (40010011)
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研究分担者 |
青木 繁伸 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (90134527)
竹内 一夫 群馬大学, 医学部, 助手 (60251089)
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キーワード | ジョブ・ストレス / 労働態様 / 予備調査 / 看護労働 / 仕事不満足尺度 / 抑うつ尺度 / ストレス・モデル |
研究概要 |
1.測定手段の選定;平成5年春から夏にかけて、基本的疫学情報と労働態様に関する質問項目に、ジョブ・ストレスと精神保健の評価のための項目を伴せた予備調査用質問紙を作成した。Quinnらによる仕事の量的負担尺度、Caplanらの将来不明確尺度、Rizzoの役割葛藤尺度などに、仕事不満足尺度と抑欝尺度(合衆国国立精神保健研究所のCES-Dおよび鈴木らによるTHI-D)を併せた。 2.予備調査の実施;平成6年1月に群馬大学医学部附属病院の約200名の看護婦を対象に自記式・無記名の予備調査を実施した(有効回答者数:198名、回答率94.3%)。 3.予備調査結果の分析;標本対象者の平均年齢は28.7才(SD8.2)で、20才代が全体の8割近くを占め、2/3が未婚であった。個人年収は年代により差があり、同年令の他の職種と比べた自分の収入に対する印象は、20才代前半で「高い」とする者が多いが30才以上の群で逆転し、「低い」とする者が多かった。若い年代が多いため、健康に関する客観的な指標は全般的に良好であった。主観的健康感も「悪い」とするものは5%足らずで、喫煙率は9%程度と低い反面、過半数が月経時に苦労すると回答していた。勤務体制は8時間3交代勤務者が9割、日勤者が1割弱で、残業は一週間に毎回〜数回行う者が9割近くで、平均残業時間は3-4ないし4-5時間、動機として自発的に行う者、上司に求められて行う者、やむを得ないと感じて行う者がそれぞれ3割程度であった。看護業務以外の仕事について、全体の時間の10%から39%を占めるとの回答が多かった。仕事不満足の内容では、「看護業務以外の仕事の多さ」「患者の苦痛となる処置」「情緒的支援を行う時間の少なさ」「終末期ケア」「肝炎ウイルスへの曝露」および「医師の理解の欠如」「患者の怒り・敵意」「特殊な機械の操作」が問題とされた。これらの結果を踏まえ、看護婦特有のジョブ・ストレス・モデルを作成し、次年度調査の枠組みを検討中である。
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