風疹予防接種が先天性風疹症候群発症によって発生する医療費の抑制に与える影響について検討した。評価された予防接種方式は、「中学2年女子に実施する現行法」、「未接種世代を免疫強化する米子保健所事業」、「平成元年より導入されているMMR接種」及び「それらの混合方式」である。評価は、予防接種実施により発症を防御した先天性風疹症候群(今回は心臓の先天異常に限定)にかかる総医療費を「効果」とし、それぞれの接種対象集団へのワクチン接種を「費用」とし、費用効果について検討した。その結果、中学2年女子に接種する現行法に比較して、その他の接種方式を組み合わせることによって総医療費は約60%から10%程度まで節減されると試算された。米子保健所において実施された免疫強化事業は、先天性風疹症候群発症予防における費用効果の観点から有効であることが示唆された。
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