研究課題/領域番号 |
05670354
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
守山 正樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10145229)
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研究分担者 |
山本 勇次 大阪国際大学, 経済学部, 教授 (50114806)
西原 純 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30136626)
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キーワード | 自覚症 / 総シンボル / 受療コミュニケーション / 在日外国人 |
研究概要 |
本研究の目的は、自覚症状を絵シンボル化することにより、受療コミュニケーションを支援することにある。平成5年度は個別の自覚症状について、適切な絵シンボル化を行うための基礎的な検討を続けた。 1.イメージをシンボル化する調査法の開発:自覚症イメージ視覚化のために三種類の調査法を開発した。〓既成イメージ選択法;各自覚症に対応する略画を3つ用意する。被験者はそのうち一つを選択する。〓手がかり法;5群の視覚的手がかり(体シルエット、手位置、顔表情、環境、時間と量)を示す。被験者は手がかりを組み合わせて自覚症視覚化を試みる。〓自由描画法;手がかりなしに、被験者は白紙上に自覚症イメージを描く。 2.調査による素材シンボルの収集:韓国籍の学生50名を対象として、イメージ調査を行った。〓既成イメージ選択法の場合;27種類の自覚症中11については、3つの既成イメージのうち1つが対象者の70%以上に支持された。しかし他の自覚症では回答が分散し、イメージに多様性が強いことが示唆された。〓手がかり法の場合;[痛み]の場合は[顔表情]を、[下痢]の場合は[環境を]、[動悸息切れ]の場合は[手の位置]が、有効な手がかりとして半数以上の対象者に選択された。〓自由描画法の場合;回答の誘導を行わない点で自由描画法はすぐれているが、手がかり等ない場合、はたして対象者が描がけるのか、という問題がある。しかし実際に行ってみると、無回答者は殆ど見あたらなかった。各自覚症に共通した傾向として、小学生では顔を中心とした表現が目だったが、中学生と高校生では全身をより丁寧に描き、その時の状況を描いた例も多く認められた。大学生の描き方は、中高生に比較して単純化し、象徴的な表現も多く認められた。
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