研究概要 |
本研究の対象となった和歌山県T町は和歌山県の南東部に位置する漁業の盛んな町である。人工は平成2年10月1日現在4,098人(男1,828人、女2,270人)である。老年人工割合は21.7%で、その割合は人工高齢化の著しい和歌山県(15.3%)の中でも上位を占めている。 骨塩量と栄養摂取状況との関連を検討するに当たり、基礎的検討として平成3年に和歌山県が国民栄養調査に準じて実施した県民栄養調査資料の提供を受け解析を行った。その結果、全国平均と比べ和歌山県は、栄養素として、脂肪、鉄、ビタミンA・B_1・B_2の摂取が少なく、食品群別には米類、砂糖類、果実類、魚介類の摂取は多かったが、油脂類、豆類、緑黄色野菜、調味嗜好飲料、乳・乳製品の摂取は少なかった。 今回骨塩量測定を行ったT町T地区の栄養摂取状況は県全体の摂取状況にほぼ類似していたが、県全体と比べて異なっていたことは、動物性たん白質、ビタミンCの摂取が多いこと、動物性たん白質比が高く、穀類エネルギー比が低いこと、海草類が多く、米類が少なかったことである。 一方、T町の40〜79歳の全住民2,261人(男1,028人、女1,233人)を対象にコホートを設定し、自己記入式の健康と生活習慣調査を行い、1590人(男662人、女928人)から回答を得た。(回答率70.3%)。 さらに、コホート集団の中から40〜70歳代の各年代別に男女各々50人ずつ、計400人をほぼランダムに抽出し、骨塩測定装置DEXAを用いて、腰椎(L_2〜L_4)および大腿骨頸部の骨塩量を測定した。 平成6年度においては、この骨塩量を測定した者の中から各年代別に男女各々20人ずつ、計160人を抽出し、3日間記録式の栄養調査を実施する予定である。
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