研究課題/領域番号 |
05670377
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
田中 之雄 大阪府立公衆衛生研究所, 食品衛生部・食品化学課, 主任研究員 (00231415)
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研究分担者 |
高垣 裕 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 総括研究員 (20075055)
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キーワード | RBL-2H3細胞 / 即時型アレルギー / n-6系多価不飽和脂肪酸 / リノール酸 / n-3系多価不飽和脂肪酸 / alpha-リノレン酸 / ケミカルメデイエーター |
研究概要 |
ラット好塩基球白血病細胞(PBL-2H3細胞)を用いて、細胞の培養条件(脂質栄養条件)の変化によるアレルギー反応への影響について検討を行い、次の結果を得た。 1.n-6系多価不飽和脂肪酸としてリノール酸、n-3系多価不飽和脂肪酸としてalpha-リノレン酸を選び、RBL-2H3細胞に取り込ませる条件を検討した。RPMI-1640培地に3%FCSおよび0.2%BSAを含有したMediumを培養フラスコに入れ、細胞がMonolayerとなるまで増殖させた。ここでMediumを除去後、リノール酸、alpha-リノレン酸を添加したMediumに変えて、細胞の増殖に及ぼす影響について調べた。両脂肪酸3mug/ml含有Mediumでは3日後までは細胞の増殖に影響を与えず、その後7日後まで徐々に増殖を阻害し細胞数は7日後で約2/3となった。また、両脂肪酸10mug/ml含有Mediumでは2日後以降著しく細胞増殖を阻害した。なお、両脂肪酸ともエタノールに溶解してMediumに添加したが、エタノールは細胞の増殖に何ら影響を与えなかった。この結果から、脂肪酸3mug/ml含有Mediumを用いて細胞に多価不飽和脂肪酸を取り込ませた。 RBL-2H3細胞に多価不飽和脂肪酸を取り込ませた後の細胞の脂質脂肪酸組成を経日的に測定した。リノール酸を取り込ませた細胞は、コントロール細胞に較べてリノール酸は約10倍増加し、これに呼応してジホモ-gamma-リノレン酸が著しく増加したが、アラキドン酸は変動しなかった。また、alpha-リノレン酸を取り込ませた場合にも、細胞はコンスタントにalpha-リノレン酸を取り込み、これに呼応してエイコサテトラエン酸が著増しエイコサペンタエン酸も増加した。さらに、両脂肪酸を取り込ませた細胞は、コントロールに較べてオレイン酸、パルミトレイン酸が減少した。
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