研究概要 |
アルコール依存形成発現を脳報償系神経伝達機構の神経化学的変化から検討した。 1.側座核(Nucleus Accumbens:ACC)DA及び5HT神経系破壊によるアルコール摂取行動変化について 両側ACCへ脳微量投与ガイド・カニュレを挿入後、アルコール摂取行動のベースライン(2-ボトル法)を決定した。デシプラミン(20mg/kg)投与後、DA及び5HT神経毒、各々6-OHDA(0.5ug/5ul/15min)と5,7-DHT(0.5ug/5ul/15min)を投与した。神経毒投与後2週間のアルコール摂取行動の変化と脳内モノアミン量の関係を検討した。6-OHDA投与群のアルコール摂取行動は増加傾向を示し、ACCへのDA神経毒投与により腹側被蓋野DA量も減少していた。ラットの自発アルコール摂取行動には、ACC DA神経系がより関与し、ACC-腹側被蓋野DA神経系補完作用が一部示唆された。 2.腹側被蓋野、縫線核刺激によるACC DA,5HT放出変化について 腹側被蓋野及び縫線核へDA,5HT,GABAアゴニスト、アンタゴニストを微量投与し、ACC DA,ACC 5HTの放出変化を検討した。ACC-腹側被蓋野系DA及び5HT神経系の存在が認められた。エタノール摂取(腹腔及びACC)によるDA放出には、一部5HT_3レセプターが関与していることが認められた。
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