研究課題/領域番号 |
05670411
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 幹男 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90114462)
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研究分担者 |
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 自己免疫 / 1pr^<cg>遺伝子 / HIV / gp120 / イディオタイプネットワーク |
研究概要 |
我々が発見、樹立したヒト自己免疫病のモデルマウスであるCBA-1pr^<cg>/1pr^<cg>は、常染色体劣性遺伝子1pr^<cg>を有するが、これは第19染色体上の1prと同じ遺伝子座に存在する。1pr^<cg>は1prと異なり、第1染色体上に存在するgld遺伝子との相補性を有するが、この特徴のために、1prあるいは1pr^<cg>とgld両遺伝子座の、自己免疫における相互関係を研究するための貴重な材料として注目を浴びてきた。我々は骨髄移植、リンパ節移植を組合せた実験から、1pr^<cg>あるいは1prはレセプターの異常、gldはそれに対応するリガンドの異常であるとの仮説を立てたが。その後、Fas抗原およびそのリガンドの異常であることが判明したことで、裏付けられた。この材料を用いた研究過程で、HIVの抗原の一つであるgp120に対する抗体の上昇が見られた。gp120はMHC class II抗原と相同性があるので、抗gp120抗体はclass II抗原保有細胞に働いてその機能に影響を与え、さらに、抗イディオタイプ抗体としての抗(抗gp120抗体)抗体が産生されれば、gp120との相同性からCD4^+細胞に働く可能性がある。そして、それらが自己免疫に重要な役割を果たすとも考えられる。抗gp120抗体はウエスタンブロット法では検出できない程の量であったので、高感度のEIA法の開発を試みた。種々のマウスにおいての測定結果からは、自己免疫マウス全般に抗体が産生されていたが、最も抗体価が高かったのはCBA-1pr^<cg>/1pr^<cg>であり、自己免疫病変が最も高度なMRL-1pr^<cg>/1pr^<cg>においては前者の場合ほどではなかった。これは、抗gp120抗体が単に自己抗体の一環として産生されているものではないことを示唆する。また、CBAとMRLマウスでの背景遺伝子の違いをも浮き彫りにさせた。さらに、CBA-1pr^<cg>/1pr^<cg>マウスの脾細胞を用いて、抗gp120モノクロナール抗体産生ハイブド-マを得て、自己免疫における役割を追究することを目的としているが、これは今後の継続すべき課題である。
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