研究概要 |
本年度はRAについて以下の研究を行なった。TNFα,HSP-70の、NcoI,PstIによるRFLPの解析では、TNFαの10kb band,5.5kb bandが85.0%,65.0%にみられ対照の85.9,67.2%と差がなかった。HSP-70の9.0kb bandは73.3%(対照84.4%)と低下傾向があった。HLA-DRを特異的primerで増幅しDR typingを行なった。DR1が12.1%(9.9%,p=NS),DR4が61.5%(42.9%,p<0.05)と増加していた。DR1,4,8のgenotypingのためにSSCPを確立した。DR1は全例DRB1*0101だった。DRB1*0401は7.4%(p<0.05),0405は46.3%(p<0.05)と有意に増加していた。*0405はC4B5と連鎖していた。*0405+群ではTNF10.5kbが"-群"に較べて有意に増加し(96.0%vs74.2%)、5.5Kbが有意に減少していた(48.0%vs77.4%)。HSP-70では有意の差は見られなかった。DR8ではRAでDRB1*0802が有意に減少しており(0%vs11.0%)、*0802が抵抗性遺伝子である可能性が示唆された。C4Q0群17名中HLA-B67が2名ありA11-C7-B67-DR2-DQ1のhaplotypeがRAに関与している可能性が示唆された。PSSについての研究では、PSSでDR2の増加を認めた。SSCP法によるDR2,8のgenotypeの検討ではDRB1*1502が増加していた(50.0%vs15.4%,p<0.01)。*1502はDRB5*0102と完全に連鎖していた。*1502の増加は抗SCL-70抗体陽性群で顕著で62.5%(0,0.01)にのぼり、又、diffuse群では75.0%(p<0.01)に及んだ。*1502陽性者を除くと*0802の増加がみられ、抗SCL-70群の50.0%(p<0.05),diffuse群の75.0%(p<0.01)にのぼった。*1502,0802いずれかの者の増加は全体の61.1%,Scl-70群の81.3%,diffuse群の93.8%であった。Scl-70群、diffuse群ではC4BQ0の増加がみられ、このC4BQ0はDRB1*1502-DRB5*0102 haplotypeと連鎖していた。一方C4AQ0はC4BQ0と独立して増加しており、抗Scl-70陰性群、limited群で増加していた。今回の検討からPSSでは自己抗体、病型に伴って、別々のMHCを中心とした遺伝要因の関与が有る事が明らかになった。
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