研究課題/領域番号 |
05670448
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
今関 文夫 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (40223325)
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研究分担者 |
川居 重信 千葉大学, 医学部, 医員
横須賀 収 千葉大学, 医学部, 講師 (90182691)
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キーワード | 肝細胞癌 / Clonality / phosphoglycerate kinase遺伝子 / メチル化 / Southern blot hybridization / Polymerase chain reaction / 超音波映像下穿刺 |
研究概要 |
近年、画像診断の進歩により肝内小腫瘤性病変が容易に見つけられるようになり超音波映像下穿刺組織診が診断確定のために行われているが、従来の病理組織学的基準では癌の判定に苦慮することがある。癌組織は、単一の癌細胞が分裂増殖してできるモノクローナルな細胞集団であると考えられている。肝癌では、細胞DNAに組み込まれたB型肝炎ウイルスDNAのパターン解析により検討されているが、この方法では日本の肝癌の75%を占めるC型肝炎ウイルスに関連した肝癌の解析ができない。そこで我々はX染色体上のphoshoglycerate kinase(PGK)遺伝子の多型性とメチル化を利用して、従来のSouthern blot hybridization法とともに、polymerase chain reaction(PCR)法を応用した方法でclonalityを解析した。昨年度、Southern blot hybridization法によるPGK遺伝子の解析でclonalityのみられた3例についてPCK法で解析し、癌部ではmonoclonal(″m″)、非癌部ではpolyclonal(″p″)と同様な結果が得られた。そこで、さらに超音波下穿刺組織診を行った18例についてPCR法を用いて検討したところ11例に多型性がみられ、このうち腫瘤径25mm以上の7例はすべて″m″なパターンであった。計25mm以下の小肝細胞癌4例では2例が″m″,2例が″p″なパターンを示した。病理組織学的には、″m″なパターンを示した2例は肝細胞癌と診断されたが、″p″なパターンを示した2例は1例がadenomatous hyperplasia、もう1例がリンパ球浸潤の多い肝細胞癌であった。以上の結果より、PGK遺伝子の多型性とメチル化を利用しPCR法を応用したこの方法は微量検体のclonalityの解析が可能であり、肝内小腫瘤性病変の病理組織学的診断の一助になるとともに、ヒト肝発癌過程の解明に有用であると考えられた。
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