研究課題/領域番号 |
05670462
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
赤羽 賢浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60092855)
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研究分担者 |
武田 清 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90242635)
宮崎 吉規 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80166157)
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キーワード | C型肝炎 / 超可変領域(HVR) / 液性抗体 / escape mutant / quasispecies |
研究概要 |
C型肝炎の病態を考察する上で、HCV遺伝子のE2/NS1領域のN末端に存在する超可変領域(HVR)の解析と、HVRに対する血清抗体の解析は極めて重要である。 C型慢性肝炎の1例の2年間の経過中の5特点につき、HVRのアミノ酸配列の変異と、HVRに対する血清抗体の動態を検討した。各時点の血清から任意に得られた10クローンのアミノ酸配列を決定し、その変異の動きを観察するとともに、各時点でmainを占めるアミノ酸配列に基づき、10-merからなるoligopeptideを1アミノ酸ずつずらして、1時点の血清につき21組のdecapiptideを化学的に合成し、ELISAにより5時点の血清と反応させた。その結果、本例では最初にHVRの中央部を中心に血清抗体が産生され、次いで後半部、最後には前半部に対して血清抗体が産生されていた。HVRのアミノ酸配列の変異はこの順序に集積していた。このことは慢性化したC型肝炎では、HVRを中心に外被蛋白に対して液性抗体が産生され易く、HCVはその抗体をescapeするため、quasispecies populationの状態になると考えられる。
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