研究概要 |
PBCと相関するHLA alleleをsero-typingおよびDNA-typingにより解析した。HLA classIでは有意な相関を示すalleleは認めなかったが、classIIではHLA-DR8と有意な相関を認めた(p<0.001,Pc<0.001,RR=11.978)。さらにHLA DNA-typing によるDRB1遺伝子の解析ではDRB1*0803の遺伝子検出頻度は35.5%でPBCと有意な相関(P<0.001)認めた。またDQ alleleではDQA1*0103およびDQB1*0601が高頻度に検出されたが、これらはDRB1*0803との連鎖不平衡による結果であると想定された。またDRB1*0803と関連する種々の臨床事項を検討したが有為な相関を示すものは認められなかった。 またHLA class II内にmappingされ、抗原提示に密接に関係し、多型性を有するpeptide transporter gene (TAP2)についても今回検討したが、PBCと正常人で異なる遺伝子多型性は認めなかった。 PBCとDR8が相関するという欧米での知見を考慮すれば、DRB1*0803が人種を越えてPBCの発症に関連する可能性が想定され、今後のDNA-typingによる大規模な再検討が待たれる。
|