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1994 年度 実績報告書

ウルソデオキシコール酸のimmunomodulatory effectsの検討

研究課題

研究課題/領域番号 05670491
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

辻井 正  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)

研究分担者 吉川 正英  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50230701)
石坂 重昭  奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90159715)
キーワードウルソヂオキシコール酸 / immunomodulatory effect
研究概要

UDCAは、ヒトリンパ球の免疫グロブリン(Ig)産生、サイトカイン(IL-2,IL-4,rIFN)産生に対して抑制的に作用し、IL-2に誘導されるNK活性、LAK活性に対しても抑制的に作用することを、これまでに明らかにしてきた。さらに、平成5年度には、モノクロナールな細胞群を用いて、UDCAの抗原提示における影響についても検討し、抗原特異的なT細胞の活性化現象がUDCAにより抑制されることを確認した。すなわち、ヘルパーT細胞(Th)としてovalubmin(OVA)特異的マウスハイブリドーマ細胞を、抗原にはTNP化したOVA(TNP-OVA)を、抗原提示(APC)としてはハプテンTNPに特異的なIgM(IgM_<TNP>)を表出するマウスBリンパ腫を使用し、抗原提示に及ぼすUDCAの影響を活性化Thの示すIL-2産生およびThのcytotoxicityを指標に検討したところ、UDCAはこれら両活性をともに用量依存性に抑制した。
本年度は、Thの認識するantigenic determinantである16アミノ酸の既知配列を人工的に作成し、UDCAによるTh活性化現象の抑制がAPCの抗原のuptake、degradationの抑制によるものか、あるいはTh細胞への直接的作用かを検討したところ、APCによるuptakeおよびdegradationを必要としないこの人工ペプチドを使用しても、UDCAのThの活性化現象の抑制は回避されなかった。したがって、UDCAによるThの活性化現象の抑制は、ThがAPC上の抗原を認識する過程あるいはその後のT細胞の細胞内情報伝達過程に作用して得られていると推測された。
さらに、マウスにUDCA(1-5mg/日、3日間)を経口投与し、肝内単核球、脾細胞、末梢血単核球のIg産生を検討したところ、UDCAのIg産生抑制は肝内単核球においてのみ観察されたことから、UDCAの免疫調節作用は肝を主座として発揮されると考えられた。
UDCAは、PBC治療に使用され有用であることは知られているが、本研究の結果より、その作用機序のひとつとしてUDCAによる肝におけるimmunomodulationも推察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshikawa M,et al.: "Effects of ursodeoxycholic acid on antigen presentation" International Klepatology Communication. 1. 243-249 (1993)

  • [文献書誌] 吉川正英・辻井正: "原発性胆汁性肝硬変(PBC)におけるウルデオキシコール酸の免疫調節作用" 医学のあゆみ. 172. 427-430 (1995)

  • [文献書誌] 福井博 他: "消化器病セミナー54 原発性胆汁性肝硬変:病態・治療・予後" ヘルス出版, 12 (1994)

  • [文献書誌] 辻井正・吉川正英: "消化器病セミナー56 胆汁酸と消化器病-最近の進歩" ヘルス出版, 14 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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