研究課題/領域番号 |
05670493
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
栗山 茂樹 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50244710)
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研究分担者 |
〓川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50230701)
辻井 正 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)
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キーワード | レトロウイルスベクター / 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 組織特異性 / 肝細胞 / プロモーター |
研究概要 |
外来遺伝子の導入効率を上昇させるために、レトロウイルスベクターに以下のごとき改良を加えた。 1.レトロウイルスベクターの3'LTR内プロモーターのTATAボックスに点突然変異を加えたベクターを作製した。これによって、組換えレトロウイルスが標的細胞に感染し逆転写された場合には、5'LTRプロモーターのTATAボックスにも点突然変異が誘導されるので、5'LTRプロモーターよりの内因性プロモーターへの転写干渉を阻止できる。 2.ゲノムRNAのパッケイジングを司る領域の3'側にあるパッケイジングシグナルの延長領域をレトロウイルスベクター内に挿入した。これによってウイルスゲノムのパッケイジング効率が上昇し、ウイルス産生が増加すると考えられる。 3.単一プロモーターより複数の遺伝子を効率よく発現させるために、リボソームエントリーサイトを挿入したベクターを作製した。これによって複数の遺伝子情報を有するpolycistronic mRNAが転写され、各々の遺伝子が独立して翻訳されるために、複数の遺伝子が効率よく発現すると考えられる。 以上、組換えレトロウイルスベクターに加えるべき基本的な改良はほぼ終了した。今後、アルブミンプロモーターやalpha_1アンチトリプシンプロモーターなどの、肝細胞選択的遺伝子発現を誘導しえる可能性のある制御因子を、内因性プロモーターとして用いたレトロウイルスベクターを構築する。lacZ遺伝子などのレポーター遺伝子を、上記の改変レトロウイルスベクターに挿入し、肝細胞特異的な効率の高い遺伝子導入が可能であるかどうかを検討する。
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