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1994 年度 実績報告書

慢性肝障害と肝癌におけるmet癌原遺伝子・tpr-met癌遺伝子の発現

研究課題

研究課題/領域番号 05670500
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

小笠原 久隆  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40112817)

キーワード慢性肝障害 / 肝癌 / met癌原遺伝子
研究概要

肝癌の発癌と肝細胞増殖因子(HGF)のレセプター遺伝子であるc-metについての関連を明かにする目的で、平成5年度には、c-met遺伝子の発現を検討したところ、肝硬変と前肝癌病変、肝癌病変において増加している成績を得た。そこで、平成6年度は、このc-metの発現増加の機序を明かにする目的で、c-met遺伝子の増幅の有無ならびに再編成によるc-metのactivation(tpr-met)の検出と、HGFレセプターの発現について検討を行なった。
ラットに、四塩化炭素投与により肝硬変を作製し、diethylnitrosamine(DEN)投与により前肝癌病変を、3'-Me-DAB投与により肝癌を誘発した。
tpy-metの検出は、上記障害ラット肝よりRNAを抽出し、tpy-met breakpointを含む205bpについてRT-PCRにてcDNAを増幅し、^<32>Pで標識したinternal probeで、Southern blot法でtpy-metの検出を行ったが、各病変とも検出されなかった。
c-met遺伝子の増幅の解析は、上記障害ラット肝よりDNAを抽出し、制限酵素にて切断後、c-met cDNAを^<32>Pで標識してprobeとし、Southern blot法にてc-met遺伝子の増幅を解析し、c-met遺伝子の増幅は、肝硬変と前肝癌病変ではみられなかったが、肝癌病変では2/3のラットにおいて2-7倍の増幅が認められた。
HGFレセプターの検出は、肝組織の凍結切片を蛍光抗体法にて観察し、肝硬変と前肝癌病変では発現の増加は見られなかったが、肝癌では一部の組織において発現の増加が見られた。
以上の成績より、3'-Me-DAB誘発肝癌の発癌機構にc-met遺伝子の増幅が関与している可能性が示唆され、今後、HGFの結合なしに既にチロシンリン酸化しているかどうかの検討が必要と考えられた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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