研究課題/領域番号 |
05670509
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
山田 真和 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60143426)
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研究分担者 |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 助手 (30248562)
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
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キーワード | 肝移植 / 虚血再灌流障害 / 接着分子 / 好中球 / 内皮細胞障害 / IL-8 |
研究概要 |
肝臓移植の際の早期non function liverの原因として、種々の要因が議論されている。なかでも虚血に伴う肝障害は重要な原因の一つとして認識されている。虚血に伴う臓器障害は、虚血中および血流再開時の再灌流障害が関係するとされ、その原因としての好中球の役割が注目されている。好中球は虚血再灌流時に類洞内皮細胞に接着し組織へ浸潤し、severeな細胞障害を生じる。好中球の炎症部位への集積は (1)tethering(2)triggering(3)adhesion(4)migrationから構成される一連のシークエンスにより成立する。これまでの研究では、このうちadhesionにおいて重要な働きをする好中球上のインテグリンファミリーに属するMac-1等の接着分子に対する抗体を用いて虚血再灌流障害を抑制することが報告されてきた。しかし、これらのインテグリンを介するadhesionは、まずインテグリンが活性化されるtriggeringが必須であり、IL-8等の好中球走化性因子がインテグリンをtriggeringし、血管内皮細胞への接着を誘導することが報告されている。我々は、ラット肝温虚血再灌流モデルにおいて、再灌流後の肝組織中のIL-8等の好中球走化性因子の肝組織中の発現を酵素抗体法で観察した。また、同時にin vitroで分離された肝類洞内皮細胞のHypoxia暴露実験におけるIL-8等の発現をELISA法で観察した。さらに、ラット冷保存肝再灌流モデルを作成し再灌流の際に灌流液中に好中球を添加し、肝組織中のIL-8等の発現、灌流液中へのtransuaminaseの放出、trapされた好中球の数を経時的に観察しそれらの関係について考察した。 (※H5年度の実験は、現在進行中で、まだ最終データは得られていないため、実験終了後にまとめてデータを報告したい。) 尚、H6年度はこのデータを用いて、IL-8等の抗体を用いた虚血再灌流障害の制御を試みる予定である。
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