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1994 年度 実績報告書

肺癌の遺伝子治療に関する基礎的研究-アンチセンスDNA法によるアプローチ-

研究課題

研究課題/領域番号 05670511
研究機関北海道大学

研究代表者

秋田 弘俊  北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (70222528)

キーワード肺癌 / L-myc / アンチセンスDNA法
研究概要

1、ヒト肺小細胞癌細胞株NCI-H209細胞の10%牛血清添加細胞培養液中に蛍光ラベルしたホスホロチオエ-ト型DNAを添加したところ、DNA分子は1時間ですみやかに細胞内に取り込まれた。主に細胞核に局在し、弱く細胞質にも分布した。すみやかな取込みと細胞内の分布から、ホスホロチオエ-ト型DNAは遺伝子発現を制御する手法あるいは医薬品としても有望であると考えられる。
2、ヒト肺小細胞癌細胞株NCI-H209細胞においてL-mycタンパク翻訳開始部位を標的としたアンチセンスDNAはL-mycタンパク質の発現低下とともに細胞増殖の抑制を示した。一方、センス処理、コントロール処理ではL-mycタンパク質の発現低下も細胞増殖の抑制も認められなかった。よって、アンチセンス処理は、塩基配列特異的に遺伝子発現の低下と細胞増殖の抑制を示し、L-myc遺伝子の発現が細胞増殖の制御に強く関わっていることが示唆された。
3、NCI-H209細胞以外のヒト肺小細胞癌細胞株、すなわちL-myc高発現株のNCI-H510細胞およびL-myc無発現細胞のNCI-H82細胞においてL-mycタンパク翻訳開始部位を標的としたアンチセンスDNAの細胞増殖制御効果を検討した。その結果、NCI-H209細胞よりもL-myc発現レベルの高いNCI-H510細胞においてはマイルドな細胞増殖抑制効果を示したが、L-myc無発現細胞のNCI-H82細胞においては全く細胞増殖抑制効果を示さなかった。これによって、L-mycアンチセンスDNAの細胞株間における特異性が示された。
4、以上の基礎研究から、ホスホロチオエ-ト型DNAの遺伝子発現を制御する手法あるいは医薬品としての可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hirotoshi Dosaka-Akita,: "Abnormal p53 expression in human lung cancer is associated with histological subtypes and patient smoking history" Am J.Clin.Pathol.102. 660-664 (1994)

  • [文献書誌] Ichiro Kinoshita: "Human papillomavirus type 18 DNA and E6-E7 mRNA are detected in squamous cell carcinoma and adenocarcinoma" Br J.Cancer. 71. 344-349 (1995)

  • [文献書誌] Hirotoshi Dosaka-Akita,: "Inhibition of proliteration by L-myc antisense DNA forthetranslational initiation site in human small cell lung cancer" Cancer Research. 印刷中.

  • [文献書誌] 秋田弘俊: "肺癌におけるp53遺伝子異常" 日本内科学会誌. 83. 1011-1014 (1994)

  • [文献書誌] 秋田弘俊: "Antisense DNA -その臨床応用の可能性-" 呼吸. 13. 890-894 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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