研究課題/領域番号 |
05670519
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
庄司 俊輔 東京大学, 医学部(病), 助手 (10171018)
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研究分担者 |
出崎 真志 東京大学, 医学部(病), 医員
大利 隆行 東京大学, 医学部(病), 医員
滝沢 始 東京大学, 医学部(病), 助手
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キーワード | ファイブロネクチン / 気道上皮細胞 / 遊走 / 肺胞マクロファージ |
研究概要 |
我々は、細胞外基質の代表的存在であるファイブロネクチンの正常および病的状態での気道上皮細胞を中心とする肺の構成細胞の細胞間相互作用への関わりについて、特にその細胞遊走因子としての役割に着目して重点的に検討してきており、本研究もその一部である。本研究の背景および目的でも詳述したとおり、我々は、これまでに、ファイブロネクチンが、気道上皮細胞および肺線維芽細胞から放出される気道上皮細胞遊走因子であり、気道上皮細胞より放出される肺線維芽細胞遊走因子でもあることを報告してきた。ファイブロネクチンは細胞接着因子としてあまりに有名であり、上皮細胞や線維芽細胞のみならず、肺のみならず全身の種々の構成細胞およびその相互関係に重大な影響を及ぼしていることは間違いない。近年の我々の研究の主たるテーマは、ファイブロネクチンの炎症性疾患との関わりを気道上皮細胞と他の細胞との細胞遊走に関連した相互作用の面から追究することであり、本研究が間質性肺炎などの肺胞領域での炎症性疾患の場における気道上皮細胞と肺胞マクロファージの相互作用をとりあげているのもこのためである。我々は同じ観点により、上気道の代表的炎症性疾患である気管支喘息に注目し、気道上皮細胞と他の細胞との細胞遊走を介する相互作用検討してきており、こちらではファイブロネクチンが重要な遊走因子であることが明らかとなってきた。我々は、ラット肥満細胞のモデル細胞であるRBL細胞および正常ラット腹腔肥満細胞がウシ気管支上皮細胞の培養上清に対し遊走することを見い出し、三つのHPLCカラムで精製した後、ウェスタンブロット法とアミノ酸残基配列決定によりこの細胞遊走因子がファイブロネクチンであることを証明した。これは、本研究に密接に関わるきわめて重要な研究成果であると考えられる。
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