気管支喘息における好中球および好酸球の役割について。

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05670523
• 研究機関: 信州大学
• 研究代表者: 藤本 圭作 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70242691)
• 研究分担者: 酒井 秋男 信州大学, 医学部・附属加齢適応研究センター, 助教授 (70020758) ; 本田 孝行 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80238815) ; 久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965) ; 小林 俊夫 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80020775)
• キーワード: 気管支喘息 / 緬羊 / アスカリス / 遅発型喘息反応 / 気道反応性亢進 / 好酸球 / Leukotriene B_4 / 好中球エラスターゼ

研究概要

Ascaris自然感作緬羊喘息モデルを用いて、Ascaris抗原吸入暴露にて2相性、すなわち叩時型(IAR)および遅発型(LAR)の気道収縮反応を示す緬羊を用いLeukotricne B_4 receptor antagonist、ONO-4057、の気道収縮反応、抗原暴露8時間後のメサコリンに対する気道反応性および気管支肺胞洗浄中の炎症細胞に対する効果について検討した。結果:抗原吸入暴露によりIARおよびLARの2相性の気道を収縮を生じ、8時間後にはメサコリンに対する気道反応性には亢進し、好中球および好酸球の気道への集積を認めた。これに対し、Drugを抗原ん暴露1時間前に経口投与するとLARを有意に抑制し、8時間後の気道反応性の亢進および好酸球の気道への集積を軽減した。以上のことから、Leukotrien B_4は、炎症細胞特に好酸球の気道への集積に重要に関与し、LARおよび気道反応性亢進を生じさせている一因となっていると考えられた。又、同モデルを用いて、好中球エラスターゼ阻害剤でONO-5046とは構造および特異性の異なる薬剤FR134043の効果についても検討したが、ONO-5046と同様にIARおよびLARを有意に抑制したことからエラスターゼも気道炎症を抑制し、又一方アラキドン酸カスケードにも関与し、喘息の病態に関与しているものと考えられた。

研究成果

• [文献書誌] Fujimoto K,et al: "Neutrophil elastase inhibitor reduces asthmatic responses in allergic sheep." Respiration Physiology. (in press). (1994)
• [文献書誌] Fujimoto K,et al: "Eosinophil activation in patient with pulmonary fibrosis." Chest.(in press). (1994)
• [文献書誌] Kubo K,et al: "Effects of ONO-5046,a specific neutrophil elastase inhibitor,on endotoxin-induced lung injary in sheep." J.Appl Physiol. 77. 1333-1340 (1994)
• [文献書誌] 早野敏英、他: "GM-CSF及びIL-Sが高値を示し、末梢神経炎を効発症性としたHypereosinophilis syndrome(HES)の一例。" アレルギーの臨床. 14. 34-37 (1994)
• [文献書誌] Yoshimura K,et al: "Roles of neutrophil elastace and superoxide anion in leukotriene B_4-induced lung injary in rabbit." J Appl Physiol. 76. 91-96 (1994)
• [文献書誌] Okubo Y,et al: "Cytokine production in patieuts with mite-seusitive bronchial asthma." Int Arch Allergy Immunol. 104S. 46-48 (1994)
• [文献書誌] 小林俊夫、他: "呼吸器疾患-state of arts-,肺水腫" 医歯薬出版株式会社、原澤道美・北村諭編, 551 (1994)