研究課題/領域番号 |
05670524
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久世 文幸 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
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研究分担者 |
鈴木 克洋 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (00206468)
田中 栄作 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (30183461)
網谷 良一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (70167964)
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キーワード | M.avium complex / KRM1648 / 低蛋白食 / マクロファージ |
研究概要 |
Mycobacterium avium complex(MAC)感染症は発生機序に不明な点が多く、その感染防御に関してリンパ球とならんで、マクロファージが重要とされる。MAC感染症の病態の解析に資することを目的としてマクロファージ活性化機能を抑制したマウスにおけるMAC感染症モデルの作成ならびに治療実験を行った。 1)低蛋白食を投与した際のマウス食細胞機能の変化 蛋白含有量2.5%の低蛋白食を与えたマウスでは腹腔マクロファージの活性酸素産生が低下した。 2)低蛋白食を投与したマウスでの感染モデルの作成 感染は当研究所保存のM.intracellulare、31F093T株を尾静脈からの経静脈感染及び腹腔感染によって行った。蛋白含有量24%の通常蛋白食を投与した対照マウスに比べて、臓器重量当たりの臓器内生菌数は増加し、一方、肺での肉芽腸形成は軽度であった。 3)上記実験モデルにおける治療実験 治療薬剤としてMACに対して優れたMICが報告されているKRM1648を用い、感染第2日目より20mg/kg/日を経口投与した。次の4群を設定した。A群通常蛋白食における対照群 B群通常蛋白食でのKRM1648投与群 C群低蛋白食における対照群 D群低蛋白食でのKRM1648投与群。KRM1648を投与したB群、D群はA群、C群に比べて有意に臓器内生菌数は減少した。KRM1648は食細胞機能低下時においても十分有効であると結論された。KRM1648は低栄養な患者においてもMAC感染症に対して、有望と考えられた。
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