研究課題/領域番号 |
05670539
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
永井 厚志 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60101820)
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研究分担者 |
上野 寿樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50256525)
亀山 伸吉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50214557)
青柴 和徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60231776)
稲野 秀孝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40191887)
安井 修司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30147392)
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キーワード | 肺気腫 / ニコチン / 好中球 / アポトーシス / オキシダント / DNA / 喫煙 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
ニコチンが好中球に与える影響 1.好中球寿命 方法:健常人から採取分離した好中球に、種々の濃度のニコチンを添加し培養した。ニコチン添加と非添加培養液中の好中球数を、24、48、72時間経過した時点でカウントし,透過型電顕を用いてapoptosis細胞の出現率を求めた。Apoptosisについては、24時間経過後の好中球からDNAを抽出しアガロースゲルにて電気泳動し、apoptosisに特徴的なDNAのfragmentationについて検討した。成績:観察期間における好中球数については、ニコチンの量依存性に好中球の減少(細胞死)が抑制された。24時間経過した時点でのapoptosisを示す異常細胞の出現率は、ニコチン非添加群(80.52±5.23%)に比しニコチン添加群(63.60±4.39%)は低値を示した。結論:以上よりニコチンはapoptosisを抑制することにより好中球の寿命を延長させる効果を示すことが知られた。 2好中球変形能 方法:ヒト分離好中球を、喫煙、喫煙ガス成分、種々のオキシダント、オキシダント・スカベンジャー、種々の濃度のニコチンに暴露し、好中球の変形能について、vertical filtration法によって評価した。成績:好中球変形能は喫煙ガス濃度依存性に低下を示したが、喫煙暴露では変形能が低下するものの、高濃度暴露ではむしろ変形能が回復する傾向であった。喫煙ガス暴露による変形能の低下をニコチンは濃度依存性に抑制した。又、ニコチンはオキシダント・スカベンジャーと同様、オキシダント暴露によってもたらされる変形能の低下を阻止した。 結論:ニコチンは喫煙ガス中のオキシダントによりもたらされる好中球変形能の低下を阻止することが知られた。
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