本課題についての研究は筋萎縮性側索硬化症並びに末梢性脱髄性神経疾患において実施した。 ALSについてはCSF中のC_4dがほぼ全例で高値を示した。ALSは初期に頚部脊推症との鑑別が困難でありこの点でも、もしCSFC_4dの測定が鑑別に成り得ればと期待していたが、見事に実証することができた。又、平山病は低値あり、この事実も病変の広がりの判定に役立つ。 末梢性神経炎では脱髄性疾患で著明な高値が認められた。CSF中のC_4dについてであるが、この点は神経根の病変と1:1の対応にあった。正確な電気生理学的判定との対応で得られた結論である。又、CIDPに限ってみると神経根の病変を示唆するC_4dの高値は治療に対しても、その選択(治療後の)と予後に、示唆を与えることが明らかになった。
|