研究概要 |
脳虚血病態解明の一助として細胞内情報伝達系のうちでもセカンドメッセンジャーに注目し検討してきた。特にアデニレートシクラーゼ系、プロテインキナーゼCあるいはエンドセリンの各受容体特異的結合能の定量的測定をそれぞれ^3H-forskol in,^3H-phorbol 12,13-dibutyrate (PDBu)や^<125>I-endothelinなどの放射性同位元素を用いたオートラジオグラム法で行ってきた。実験対象として砂ネズミの脳で、一側総頸動脈を結紮することにより脳虚血を作製し、これらセカンドメッセンジャー系が虚血時にどのように変化し、また、時間的にもどのように変化していくかを検討してきた。今回用いるIP_3あるいはリアノジンにおいても同様のモデルで現在検討しており、特にIP_3受容体については海馬において虚血により特異的に障害される結果を我々は得ている。即ち、記憶機能と密接な関連のある海馬は正常脳において特にIP_3受容体の集積している部位であるが、虚血に対して最も鋭敏にIP_3受容体が反応することを明らかにしている。 また、筋萎縮性側索硬化症の剖検脳海馬及び脊髄で抗IP_3受容体抗体を用いて免疫組織学的検討をおこなっている.また,nitric oxide synthase(NOS)の抗体(bra in NOS,Endothelial constitutibel NOS,induceble NOS)を用いても同様に免疫組織学的検討をおこなっている.
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