研究概要 |
1.Western blottingやimmunoprecipitationに用いるアデニル酸シクラーゼ(AC)抗体を作製した:AC(Type V,VI)の部分とくに平成5年度に作製したアミノ酸配列のC,N端末側に近いところのペプチド抗体の力価が低かったので,AC(Type V,VI)のアミノ酸配列の中間部分でかつ親水性,共通抗原性のない部分のアミノ酸配列を合成し,ウサギに静注,ポリクロナール抗体を作製した。抗体の力値はELISA法で確認したが,その力値は10-3までした上昇しなかった。 2.平成5年度に引き続き,monocrotaline投与による右室肥大・不全心の心筋からpoly A+RNAを抽出し,ACのType V,VI cDNA(Ishikawa,J Biol Chem 267:13553,1992)でhybiridizationし,mRNA bandからβ-actinの量を基準に定量化した。右室肥大の出現とともに,forskolin-AC活性のまだ低下しない時期にACのmRNAレベルは低下していたが,心室中隔,左室では心不全時期のforskolin-AC活性の低下とACmRNAレベルは一致していた。 3.右室肥大・不全心の心筋粗膜分画のAC蛋白量をAC抗体を用いてwestern blotting法で試みた。多くのbandが出現したが,110KDa付近のACと思われるbandは右室・心室中隔・左室でcontrol群,monocrotaline群の間で差はないようであり,定量化できないのはACの蛋白量が極めて少ないか,または作製した抗体が非特異的であるためではないかと考えられた。
|