研究課題/領域番号 |
05670603
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉峯 徳 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40022842)
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研究分担者 |
林 登志雄 名古屋大学, 医学部, 医員
内藤 通孝 名古屋大学, 医学部, 助手 (10198012)
浅井 幹一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70151008)
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キーワード | 一酸化窒素 / カルモデュリン依存性蛋白燐酸化酵素II / 内皮依存性弛緩反応 / カルモデュリン / 学習記憶 / 血管内皮型一酸化窒素合成酵素 |
研究概要 |
1)家兎頚動脈の内皮依存性弛緩反応(EDR)に対する燐酸化酵素IIの関与:フェニレフリン収縮下にアセチルコリン(ACh)によるEDRは、カルモデュリン拮抗薬W7前処置により有意に抑制された。燐酸化酵素II拮抗薬KN62,KN93は反応に影響しなかった。20mM、KC1収縮によるCa^<2+>流入活性化後AChによるEDRは有意に低下した。KN93を1μM前処置すると有意に反応性の部分回復を認めた。negative control薬、KN92前処置は作用を示さなかった。2)家兎脳底動脈のEDRに対する燐酸化酵素IIの関与:AChによるEDRは頚動脈と同様にKC120mM前処置により、有意に低下した。KN93前処置は、有意に反応性の部分回復をもたらせた。3)Wister系雄性ラット脳parenchymal arterioleのEDRに対する燐酸化酵素IIの関与:AChによるEDRは、頚動脈と同様にKC1前処置により有意に低下した。KN931μM前処置時には、有意に反応性の部分回復を認めた.5)NOS及び燐酸化酵素IIのラット学習記憶への関与:第三脳室内に各試薬投与終了後時のpassive avoidance法における回避時間にはLNMA、KN6 2.生食群に有意差は認められなかった。試薬投与終了後、24、48時間後双方において、LNMA及びKN62投与群において、生食群に比し、回避時間を低下する傾向にあった。燐酸化酵素IIの特異的拮抗薬:KN93がKC1存在下でEDRを活性化し、燐酸化酵素IIが血管内皮型(III型)NOSを抑制する可能性を示唆した。この作用は、家兎頚動脈のみならず、脳底動脈、parenchymal arterioleにても認められ、動脈硬化症等、病態生理学的な意義を持つ可能性も推察される。一方、明暗箱を用いた記憶獲得、障害実験においても、NOSと、燐酸化酵素II双方の作用がほぼ同様にみられる傾向にあり、相互作用を示唆し得る。本年度計画の概要はほぼ達成されたと考える.
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