研究課題/領域番号 |
05670617
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小原 克彦 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (30260384)
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研究分担者 |
西田 亙 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (80271089)
油屋 真仁 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (00260688)
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260385)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | アンジオテンシンII受容体 / AT1受容体 / AT2受容体 / SHR / 左室肥大 / AT1受容体拮抗薬 / ACE阻害薬 / ACE inhibitor |
研究概要 |
高血圧自然発症ラット(SHR)におけるAT1A・AT1B受容体の副腎、心臓、大動脈、腎臓における発現をWistar・Kyotoラット(WKY)と比較した。AT1A・AT1B受容体遺伝子の発現はSHR,WKYにおいて差異はなく、高血圧に伴う臓器障害が明らかに認められる16週令とう時期においても、大動脈以外の組織におけるAT1A・AT1B受容体遺伝子の発現量に差はなかった。唯一、大動脈のAT1B受容体の発現が、SHRではWKYに比して低下していたが、高血圧に伴う血管障害がその原因として考えられた。AT1受容体拮抗薬投与により、心臓、副腎においてAT1受容体遺伝子発現は臓器特異的な変化を示したが、これらの変化にもSHRとWKY間に差異はなかった。 SHRの降圧治療に伴う左室肥大の退縮過程において、AT1受容体拮抗薬投与により1週間後にAT1A、AT1Bは共に減少した。一方ACE阻害薬投与では1週間後にAT1Aが有意に増加したが、AT1Bには変化がなかった。いずれの降圧薬投与ぼ4週間後にはAT1A、AT1Bは共に前値のレベルに戻っていた。 新たに開発したRT・PCR法を用いて、AT2受容体のmRNAの発現を検討した。ラット副腎組織におけるAT2受容体発現は、両側腎摘出により約3倍に、昇圧量のアンジオテンシンIIの投与により約2倍に増加した。副腎組織におけるAT2受容体の生理的な役割は不明であるが、レニン・アンジオテンシン系の変化に伴って発現が調節されることが認められた。 ラットを用いた検討において、アンジオテンシンII受容体はそのサブタイプ毎に臓器特異的な調節を受けていることが明らかになった。また、降圧薬、特にレニン・アンジオテンシン系抑制薬によって変化を受けるが、薬剤ごとにまた治療期間ことに異なった反応を示すことが示された。
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