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1994 年度 実績報告書

動脈硬化の発生および病態に及ぼすナトリウム利尿ペプチドの影響

研究課題

研究課題/領域番号 05670622
研究機関熊本大学

研究代表者

久木山 清貴  熊本大学, 医学部, 講師 (00225129)

キーワードNatriuretic Peptides / Atherosclerosis / Neutral Endopeptidase / Oxidized LDL / Lysophosphatidylcholine / Endothelial cells
研究概要

Neutral Endopeptidase 24.11(NEP)は血管内皮にも存在し種々の血管作動性ペプチドを基質とし、これらのペプチドの血管への作用に影響を与えている可能性がある。粥状硬化動脈において、NEPの基質であるC-type Natriuretic Peptide(CNP)による弛緩反応が低下していることが既に知られているが、この弛緩反応抑制機序におけるNEPの関与を検討した。【方法】普通食または高コレステロール食で飼育したNZWウサギ(雄)からそれぞれ正常または粥状硬化を有する胸部大動脈を摘出しリング標本とし栄養液中に懸垂し、等尺性張力をモニターした。phenylephrineにて収縮させた後CNPおよびsodium nitroprusside(SNP)による弛緩反応を検討した。一部の実験ではNEP阻害剤であるUK73967(Candoxatrilat;50μM)またはphosphoramidon(50μM)にて前処理した後、同様の弛緩反応を調べた。一部の大動脈組織サンプルにおいては膜分画NEP活性を合成基質法にて計測した。またCD10/NEPに対する単抗体を用い免疫組織学的に検討した。【結果】粥状硬化動脈におけるCNPによる弛緩反応の低下がNEP阻害剤であるUK73967(Candoxatrilat;50μM)またはphosphoramidon(50μM)にて前処理することにより改善した。これらのNEP阻害剤は正常動脈におけるCNPによる弛緩反応に対しては影響を与えなかった。SNPによる弛緩反応は正常および粥状硬化動脈においても正常に保たれており、NEP阻害剤で影響を受けなかった。NEP活性は正常大動脈に比し、粥状大動脈にて3.9倍に増加していた。CD10/NEPのimmunoreactivityは主に内皮細胞に認めた。【結論】粥状硬化動脈においてCNPに対する弛緩反応低下の機序として、血管壁のNEP活性が増強しCNPの局所濃度を減少させることが一つの理由として考えられた。このように粥状硬化動脈の病態生理に血管壁に存在するNEPが重要な役割を有することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Toyoaki Murohara: "Cigarette Smoke Extract Contracts Isolated Porcine Coronary Arteries by Superoxide Anion-mediated Degradation of EDRF" Am J Physiol. 266. H874-H880 (1994)

  • [文献書誌] Hirofumi Yasue: "Localization and Mechanisms of Secretion of B-type Natriuretic Peptide(BNP)in Comparison Peptide(ANP)in Normal Subjects and Patients With Heart Failure" Circulation. 90. 195-203 (1994)

  • [文献書誌] Toyoaki Murohara: "LPC in Oxidized LDL Elicits Vasocontraction and Inhibits Endothelium-Dependent Relaxation" Am J Physiol. 267. H2441-H2449 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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