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1994 年度 実績報告書

プラスミドDNAと薬剤感受性パターン解析によるMRSA院内感染の疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05670649
研究機関旭川医科大学

研究代表者

藤田 晃三  旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40041834)

研究分担者 室野 晃一  旭川医科大学, 医学部, 助手 (80219956)
キーワード院内感染 / 疫学 / MRSA / プラスミドDNA / 薬剤感受性 / コアグラーゼ型 / 染色体DNAプロファイル
研究概要

平成3年度に旭川医科大学附属病院で分離されたMRSA87株(85%がコアグラーゼII型)について,プラスミドプロファイルと薬剤感受性試験を行った.プロファイルはAからGの7パターンが得られ,制限酵素Eco R1で切断後の電気泳動でもそれぞれの違いが明瞭であった.薬剤感受性試験は9薬剤について行ったが,ミノサイクリン(MINO)で感受性株と中等度耐性株に分かれ,分離株数の多いプロファイルAの株はMINOの感受性パターンの組み合わせによりさらに分類が可能と考えられた.それにより病棟におけるMRSAの分布をみると,一つの外科病棟にプラスミドAでMINO感受性の株の集積を認めた.また,プラスミドAでMINO耐性の株はもう一つの外科,脳外科,皮膚・泌尿器科病棟から多く分離され,プラスミドCの株は耳鼻科病棟だけから分離された.
以上の成績に基づき,平成4年度以降,当附属病院検査室で分離されたMRSA401株を保存し,さらにその検索を進めることとした.保存株の一部についてプラスミドプロファイルを調べたが,プロファイルA株の流行からプロファイルB株へと流行の変化が認められた.二つの病棟では環境から分離された株のプロファイルを調べたが,多くは患者からの分離株とは異なるプロファイルを示した.また,同じ新生児室内でも同一プロファイルの株の流行は少なく,入室する患者の異なる時期には別のプロファイルを示した.
ほかに,鹿児島大学医学部小児科からMRSA60株の分与を受け,そのプラスミドプロファイルを調べたが,いずれの株も当大学の株とは異なるプロファイルを示した.鹿児島大学小児科でmec-hypervariable region (hvr)の多形性に基づくタイピング成績とプラスミドプロファイルを比較してみると,hvrタイプで最も多い株(36)のプロファイルは28株(78%)で一致した.しかし,ほかのhvrタイプの株のプロファイルは多様であった.
今後は,パルスフィールドゲル電気泳動パターンとの比較も試みる予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 室野晃一,藤田晃三: "長期中心静脈栄養施行中にMSSA敗血症およびその後MRSA敗血症をくり返した1女児例について" 第8回東八幡平シンポジウム1990年記録集. 32-35 (1991)

  • [文献書誌] 藤田晃三: "シンポジウム;MRSAの現況と対策;MRSAの基礎" 札医通信. No.132. 3-6 (1992)

  • [文献書誌] 吉河道人,室野晃一,藤田晃三ほか: "薬剤感受性・プラスミドプロファイルによるMRSAの病院内疫学調査" 第10回東八幡平シンポジウム1992年記録集. 95-99 (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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