1.電気生理学的検索: 1〜15歳の対象に直接洞結節電位(direct SNE)の測定を試み約60-70%に記録出来たが乳児期前半の記録は極めて困難であった。更に乳幼児期の知見を集積することで洞結節機能の成熟過程の解明が期待できる。 2.心筋生検による検討: 有意の心室性不整脈(Lown grade3以上)を呈する症例で、非特異的心筋症ないし心筋炎と診断されたものは、各々6%、3%であった。徐脈性不整脈に関しては生検でのみ心筋炎の関与が診断出来る完全房室ブロックが存在し、原因不明の徐脈性不整脈の心筋生検は必須の検査と考えられる。 3.冠静脈洞カテーテル法による心筋代謝の検討: norepinephrine(NEP)及びepinephrine(EP)動脈血濃度は川崎病、非チアノーゼ性心疾患に比して不整脈群で有意に高値を示した。心筋摂取率ではNEPの心筋摂取は極めて少なく、主に放出しているものと考えられた。EPは不整脈群で心筋に摂取されており、心不全群、川崎病の一部と比較すると統計学的に有意に高値をとった。このことより、長期間不整脈が持続している場合overworkによる心筋障害の進展増悪が危惧される。
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