研究概要 |
コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae,Df)虫体を限外濾過膜やゲルクロマトグラフィーにて精製し、Dfの低分子分画(Df‐LMW)を得た。これらの一部を分析に用いた結果、5分画に分れ、糖の多い部分と少ない部分に分れた。 これらのうち、分子量10kd以下の低分子分画(Df‐low molecular weight fraction,Df‐LMW)は糖含量の多いハプテン様物質であり、アレルギー患者ではその血清中にアルブミンを結合して存在していることを明らかにしてきた。さらに、アトピー性気管支嘆息患者では血清中にDf‐LMWが存在することを証明した。 rDf‐LMWの作成には精製したDf‐LMWを用いて直接発現ヴェクターを用いる方法にて検討を行っている。プライマーは市販のものを用いている。mRNAはDfから抽出しcDNAを作成し、これを鋳型として研究を進行中である。遺伝子が決定できれば、大腸菌にこの遺伝子を発現させてrDf‐LMWを大量に得る。但しDf‐LMWが5分画に分れ、どの部分にハプテン様の活性があるかを確認する作業が必要となり、さらに本方法で得られるrDf‐LMWが、果してDfより直接得られたDf‐LMWと同様な活性が見られるかも確認する。
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