• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

MTT法による難治性小児白血病の薬剤感受性と臨床効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 05670667
研究機関浜松医科大学

研究代表者

本郷 輝明  浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50115507)

研究分担者 矢島 周平  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60252186)
キーワードMTT アッセイ / Ph1 positive ALL / Mixed lineage ALL / 薬剤感受性 / 乳児白血病 / T-ALL
研究概要

難治性小児白血病を中心にcommon ALL(cALL)も含め430名(初発315名、再発115名)の白血病細胞について、各薬剤に対するLD70を計算し、また予後調査を行った。初発例ではcALL(158),M1&M2(50),mixed lineage ALL(mix ALL,29),Tcell ALL(T-ALL,24),M4&M5(22),M6&M7(16),M3(9),undifferentiated ALL(uALL,6)、について調べた(カッコ内は検体数)。1995年12月20日現在で291名について予後調査ができた。解析はすべてStatView J-4.5(Machintosh)で行い、分散分析,Log rank test等を用いた。
1、cALL(151),ANLL (86),mix ALL(29)患児のEFSではANLL,mix ALL患児の有意の低下が認められた(p<0.0001)。cALLとANLLの間で感受性に有意な差が認められた抗癌剤は、16剤中DNR,L-PAM,MIT,4HC,VCR,VLB,VP16,L-ASP,BLM,CBDCA,THP-ADR,Predで、いずれもANLLの方がresistantであった。2、cALL(150),T-ALL(21),mix ALL(29)患児のEFSではT-ALL,mix ALL患児の低下が認められた(p=0.0015)。cALLとmixALLの間で感受性に差が認められた抗癌剤は、16剤中L-ASP,BLM,の2剤で,いずれもmix ALLの方がresistantであった。cALLとT-ALLの間では,16剤中THP-ADR,L-ASPの2剤で,いずれもT-ALLの方がresistantであった。3、M1&M2(42),M4&M5(21)患児のEFSではM4&M5患児の有意の低下が認められた(p=0.029)。M1&M2とM4&M5の間では:16剤中 Dex,Predの2剤で差があり:いずれもM4&M5の方がresistantであった。4、乳児白血病(1才半未満)初発例10例を検討した。2-9歳のcALL(95)患児と比較すると乳児白血病患児のEFSは有意に低下していた(p<0.0001)。予後不良の検索として薬剤感受性を検討したが,Dex,Predでややresistant(p=0.093)であった以外両者に差は認められなかった。5、Ph1+ALL初発例10例を検討した。3年EFSは0.200と乳児白血病と同様不良であった。薬剤感受性では、L-ASP,VLB,MITで有意な差を認め、いずれもPh1+ALLの方がresistantであった。基礎的研究として、G-CSF receptor cDNAをトランスフェクトしたB cell lineの細胞が薬剤耐性を獲得するかどうかを、mixed lineage leukemiaのモデルとして検討を加えた。その結果、THP-ADR,MIT,VP16,MTX,DNR,Dex.Predの7剤が有意にtransfectant cellsで耐性となっていた。このことは、G-CSF receptorも薬剤耐性に関与していることを示している。当初の目的であった、合理的な化学療法の 方法論(ICDC)の確立については達成できなかった。MTT assayがどこまで信頼性を獲得するかによって、ICDCが推進可能と思われる。今後さらに展開していきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 本郷輝明: "Ph1陽性ALL15例のin vitro薬剤感受性と臨床経過" 日本小児科学会雑誌. 100. 186- (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi