平成5年度:正常マウスの大脳皮質錐体細胞の軸索は錐体交叉部で交叉し、脊髄後索腹側部を下行すること(大脳皮質脊髄路)。また、頸髄膨大部での大脳皮質脊髄路の軸索数は出生後増加し、生後10日目には約11万本であった。しかし、以後軸索数は急激に減少し生後14日目には約7万本となり、生後84日頃までほとんど変化しない。 平成6年度:新生仔マウスの右側大脳半球を破壊すると、左側大脳皮質錐体細胞の軸索の大部分は錐体交叉部で交叉するが一部は交叉することなく、新たな同側性皮質脊髄路を形成されることが判明した。頸髄膨大部では左側大脳皮質脊髄路は萎縮し、右側大脳皮質脊髄路は肥大しているように観察された。そこで、この肥大したと思われる右側大脳皮質脊髄路を形成する軸索の数を経時的に観察すると、平成5年度で得られた正常マウスの軸索数と同じ推移を示す結果であった。
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