研究課題/領域番号 |
05670673
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倉橋 浩樹 大阪大学, 医学部, 助手 (30243215)
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研究分担者 |
西庄 勇 大阪大学, 医学部, 助教授 (10228182)
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キーワード | DiGeorge症候群(DGS) / 円錐動脈幹異常顔貌 / 22番染色体 / 共通欠失領域 / cDNA / ロイシンジッパー / 転写因子 |
研究概要 |
DiGeorge症候群(DGS)の原因遺伝子の座位は染色体の共通欠失領域から22q11と考えられている。我々はこの共通欠失領域内に位置するゲノムクローンを単離し、それらを用いて、2種のコスミドコンティグを構築し、FISH法でこれらの位置関係を決定した。また、これらゲノムクローンを用いてヒト胎児脳由来cDNAライブラリーより全長4.3kbの遺伝子を単離した。この遺伝子はノザンブロット解析では、ヒト胎児脳、肺、心臓、肝臓、腎臓などの主要臓器で発現していた。また、この遺伝子の塩基配列を決定したところ、552アミノ酸よりなる62kDaの未知の蛋白をコードしていると推定された。そのアミノ酸配列はショウジョウバエのホメオボックス遺伝子の抑制遺伝子トラムトラック遺伝子と部分的に相同性を有していた。また、塩基性ドメインとそれに続くロイシンイジッパー様モチーフを含んでいたためLZTR‐1と命名した。その他の性質からも、この遺伝子は転写因子として作用するDNA結合蛋白をコードしていると考えられた。DGSならびに円錐動脈幹異常顔貌の患者でLZTR‐1の欠失の有無を調べると、9例中8例の患者でLZTR‐1は欠失していた。欠失を認めなかった1例は、DGS共通欠失領域内のどのDNAマーカーを用いても欠失が認められない症例であった。ただし、DGSの最小共通欠失領域を限定していると考えられている細胞株では欠失が認められなかった。LZTR‐1はDGS最小欠失領域には位置していなかったが、大部分の患者で欠失していて、胎児諸臓器で発現している転写因子をコードしていた。これらの疾患群が隣接遺伝子症候群をなすと仮定すれば、この遺伝子の欠失はDGSとその近縁疾患の表現型の一部分に関与していると考えられた。
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