筋緊張性ジストロフィー症(DM)の原因遺伝子DMkinaseは、12kbに及び、15個のエクソンと14個のイントロンから成り、3.4kbのmRNAが生成され、コードする蛋白は629個のアミノ酸から成り、cAMPdependent protein kinaseの一種である。 我々は、Kornelukら(Hum Mole Genet 1993)によって発表されたDM cDNAのマップをもとに、合成ポリペプチドを作製し、DM protein kinaseに対するポリクローナル抗体を作製し、正常、DM、DuchenneおよびBecker型筋ジストロフィー筋におけるDM protein kinaseの発現を検討した。又、正常およびDucchenneおよびBecker型筋ジストロフィー症筋より筋肉培養を行い検討した。正常、DM、DuchenneおよびBecker型筋ジストロフィー症筋の全てに、神経筋接合部、筋紡錘に強く、筋細胞膜に弱くDM protein kinaseは発現されていた。immuno blotでの解析では正常筋に比べDM筋ではDM protein kinaseは明らかに減少していた。DuchenneおよびBecker型筋ジストロフィー症筋に認められる再生筋細胞ではDM protein kinaseは細胞質内に強く発現していた(J Neurol Sci in press)。正常、DMDおよびBMDの培養筋を用いて検討し、myoblastでは核周囲に、myotubesでは細胞質に一様に発現していることを明らかにし、再生筋におけるDM protein kinaseの発現様式を確認した(Acta Hist Cyto in press)。
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