研究分担者 |
片桐 智也 北里大学, 医学部, 助手 (70224441)
安保 純子 北里大学, 医学部, 助手 (70218361)
安保 賢一 北里大学, 医学部, 助手 (80202688)
砂押 渉 北里大学, 医学部, 講師 (20171283)
白井 宏幸 北里大学, 医学部, 講師 (10154353)
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研究概要 |
1.過去に2回以上の部分発作を示す,3カ月〜14歳(平均8歳3カ月)の潜因性局在関連性てんかんの患児72例を対象に,初回1日維持量8mg/kg(7.97±0.55mg/kg)を基準に,zonisamide(ZNS)単剤1日1回投与法を行った。初回維持量での日内の最低血中濃度は27.0±9.4mug/ml,最高血中濃度は33.8±10.8mug/ml,最高/最低血中濃度比は1.28±0.15であった。72例中23例では投薬開始後1年以内に発作が再発したが,日内の最低血中濃度が15mug/ml前後のものに再発例が多くみられた。また,高血中濃度を示した4例で眠気。1例で注意集中困難が持続した。すなわち,ZNSは腸管からの吸収が遅く,血中半減期が長いため,1日1回の投与でも血中濃度の日内変動が少なく,発作抑制効果も優れたいた。そして,その臨床効果は,一般に提唱されているZNSの治療濃度域15〜40mug/mlとよく一致した。 2.Sodium valproate(VPA),carbamazepine(CBZ)ならびにclonazepam(CZP)のうち2剤以上を使用しても発作の抑制が十分でないてんかん患者に,acetazolamide(AZA)を付加的に用い,AZA併用後の長期発作抑制効果を検討した。対象は症候性または潜因性局剤関連性てんかん20例,症候性または潜因性全般てんかん6例,未決定てんかん11例の計37例で,全例月1回以上発作が持続していた。対象37例のAZA併用時の年齢は1歳5カ月〜17歳1カ月(平均8歳1カ月),AZA併用中の観察期間は1カ月〜9年10カ月(平均1年8カ月)である。AZAは1日量10mg/kgから導入,経過によって20mg/kgまで増量したが、最終効果判定時のAZAの1日投与量は230±104mg,血中濃度は6.2±4.5mug/mlであった。AZAを併用後,37例中4例では3年以上の観察期間中発作が完全に抑制され、5例では6カ月以上発作が抑制されたがその後再発し,6例では6カ月以上にわたり発作頻度が50%以下に減少している。以上,難治性てんかんにAZAを付加的に用い,著効が得られる症例がある。
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