研究分担者 |
安保 純子 北里大学, 医学部, 助手 (70218361)
安保 賢一 北里大学, 医学部, 助手 (80202688)
細田 のぞみ 北里大学, 医学部, 助手 (80199504)
砂押 渉 北里大学, 医学部, 講師 (20171283)
白井 宏幸 北里大学, 医学部, 講師 (10154353)
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研究概要 |
1.Sodium valproate(VPA),carbamazapine(CBZ)ならびにclonazepam(CZP)のうち2剤以上を使用しても発作の抑制が十分でないてんかん患者に,acetazolamide(AZA)を付加的に用い,AZA併用後の長期発作抑制効果を検討した.対象は症候性または潜因性局在関連性てんかん20例,症候性または潜因性全般てんかん6例,未決定てんかん11例の計37例で,全例月1回以上発作が持続していた.対象37例のAZA併用時の年齢は1歳5カ月〜17歳1か月(平均8歳1カ月),AZA併用中の観察期間は1カ月〜9年10カ月(平均1年8カ月)である.AZAは1日量10mg/kgから導入,経過によって20mg/kgまで増量したが,最終効果判定時のAZAの1日投与量は230±104mg,血中濃度は6.2±4.5μg/mlであった.AZAを併用後,37例中4例では3年以上の観察期間中発作が完全に抑制され,5例では6カ月以上発作が抑制されたがその後再発し,6例では6カ月以上にわたり発作頻度が50%以下に減少している.以上,難治性てんかんにAZAを付加的に用い,著効が得られる症例がある. 2.Zonisamide(ZNS)は腸管からの吸収が遅く,血中半減期が長いため,1日1回の投与でも,日内の血中濃度は比較的一定に保たれる.このZNS単剤1日1回投与法を行い,治療濃度域高値を保っても発作の抑制が困難なため,CBZを併用した5〜16歳(平均12歳1カ月)の潜因性局在関連性てんかん患児12例を対象に,両薬物間の血中濃度面での相互作用を検討した.また,このうち9例では,ZNSを漸減中止し,CBZ単剤治療となった後に,CBZならびに主要代謝物carbamazepine-10,11-epoxide(CBZ-E)の血中濃度を測定した.その結果,CBZの併用により,ZNS血中濃度は日内の最低濃度,最高濃度ともに,それぞれ35.4±10.0から22.2±9.8μg/ml,43.0±11.3から28.1±12.5μg/ml有意に低下した.しかし,CBZならびにCBZ-E血中濃度は,ZNS併用時とCBZ単剤治療時で明らかな変化を認めなかった。
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