• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

小児における抗てんかん薬の体内動態モニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 05670696
研究機関北里大学

研究代表者

三浦 寿男  北里大学, 医学部, 教授 (60050465)

研究分担者 武井 研二  北里大学, 医学部, 助手 (50236410)
細田 のぞみ  北里大学, 医学部, 助手 (80199504)
砂押 渉  北里大学, 医学部, 講師 (20171283)
白井 宏幸  北里大学, 医学部, 講師 (10154353)
高梨 栄  北里大学, 医学部, 講師(非常勤)
キーワード抗てんかん薬 / 薬物体内動態 / 薬物血中濃度 / 薬物相互作用 / ゾニサミド / カルバマゼピン / カルバマゼピン代謝物 / ラモトリギン
研究概要

1.Zonisamide(ZNS)は腸管からの吸収が遅く,血中半減期が長いため,1日1回の投与でも,日内の血中濃度は比較的一定に保たれる.このZNS単剤1日1回投与法を行い,投与量を増して(11.1±2.5mg/kg),治療濃度域高値を保っても発作の抑制が困難なため,carbamazepine(CBZ)を併用した5〜16歳(平均12歳1か月)の潜因性局在関連性てんかんの患児12例を対象に,両薬物間の血中濃度面での相互作用を検討した.また,このうち9例では,ZNSを漸減中止し,CBZ単剤治療となった後に,CBZならびに主要代謝経路の第一次代謝物carbamazepine-10,11-epoxide(CBZ-E)の血中濃度を測定した.その結果,CBZの併用(15.1±3.0mg/kg)により,ZNS血中濃度は日内の最低濃度,最高濃度ともに,それぞれ35.4±10.0から22.2±9.8μg/ml,43.0±11.3から28.1±12.5μg/mlと有意に低下した.しかし,CBZならびにCBZ-E血中濃度は,ZNS併用時とCBZ単剤治療時で明らかな変化を認めなかった.
2.Lamotrigine(LTG)は,わが国では現在第三相治験の段階にあるが,LTGの血中半減期はCBZなどの肝代謝酵素誘導作用がある薬物との併用により短縮し,valproateとの併用で延長することが知られている.一方,CBZにLTGを併用すると,CBZ-Eの血中濃度が上昇し,中毒症状が発現するとの報告がある.この点に関して,LTG導入時にCBZを服用し,他にはLTGの代謝に影響する薬物を併用していない,12〜22歳(平均18歳3か月)の症候性ならびに潜因性局在関連性てんかんの患者8例を対象に,LTG併用後のCBZならびにCBZ-Eの血中濃度の変化を検討した.LTG併用時のCBZならびにLTGの1日投与量はそれぞれ9.7±2.3mg/kg,7.7±3.8mg/kgである.その結果,LTG併用前のCBZとCBZ-Eの血中濃度は7.91±1.07と1.29±0.30μg/ml,LTG併用後はそれぞれ7.78±1.33と1.45±0.40μg/mlで,LTG併用後CBZ-E血中濃度は有意(p<0.05)に上昇した.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 白井宏幸: "点頭てんかんに対するACTHとclonazepam併用療法の効果-clonazepam血中濃度モニタリングの意義-" TDM研究. 11. 197-198 (1994)

  • [文献書誌] 武田研二: "解熱薬坐剤の併用がdiazepam坐剤の直腸からの吸収におよぼす影響(続報)-熱性けんれん患児での検討-" TDM研究. 12. 201-202 (1995)

  • [文献書誌] 細田のぞみ: "小児の部分発作に対するZonisamide単剤1日1回投与法の効果と血中濃度" てんかん研究. 13. 220-226 (1995)

  • [文献書誌] 武井研二: "解熱薬坐剤の併用がdiazepam坐剤の直腸からの吸収におよぼす影響" 小児科臨床. 49. 245-252 (1996)

  • [文献書誌] 細田のぞみ: "小児の部分発作に対するclonazepam単剤治療の効果" てんかん研究. 14(掲載予定). (1996)

  • [文献書誌] 砂押渉: "Lamotrigineの併用がcarbamazepineならびにcarbamazepine-10,11-opoxideの血中濃度におよぼす影響" 発達薬理・薬物治療研究会雑誌. 9(掲載予定). (1996)

  • [文献書誌] 秋元波留夫 三浦寿男(編): "てんかん学の進歩No.3;薬物療法:抗てんかん薬の薬理と臨床" 岩崎学術出版, 205-217 (1996)

  • [文献書誌] 八木和一 三浦寿男(編): "ゾニサミドの世界PartII;小児の部分発作に対するゾニサミド単剤1日1回投与法の効果と血中濃度" ライフサイエンス出版(出版予定), (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi