研究課題/領域番号 |
05670697
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
平石 聡 北里大学, 医学部, 助教授 (80118835)
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研究分担者 |
縣 陽太郎 北里大学, 医学部, 講師 (80146430)
三沢 仁司 北里大学, 医学部, 講師 (30146427)
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キーワード | 新生児 / 心拍出量 / 臓器血流 / 動脈管 / 胎児心不全 / 三光弁異形成 / 肺動脈縮窄 |
研究概要 |
1.正常新生児における出生後の心拍出量、臓器血流量の推移とその機転に関する超音波法を用いた研究:心拍出量は出生後早期に最も高値(365±69ml/kg/min)であり、4-8時間後には減少し、96時間後には258±54ml/kg/minとなった。この間、腎動脈血流量は不変であったが、中大脳動脈、上腸管膜動脈の血流量は逆に漸増し、24時間後より有意な増加を示した。臓器血流の変化は主に拡張期血流の増加に依存した。これらの結果より、1)出生後の心拍出量と臓器血流の変化の間に正の相関はみられない、2)臓器血流の変化と動脈管の閉鎖時期の間に強い関連性がみられる。しかし腎血流の制御に別の機転が存在することが示唆された。 2.胎児心不全の発症機転-三光弁異形成症例の分析から-:三光弁異形成の症例において、胎児期より継時的に超音波検査を施行した。初回検査時、三光弁逆流が軽度であった時期に、すでに右室収縮率の短縮、右室拡大の所見を認めた。その後の検査で、三光弁逆流の進行、胎児水腫の存在を確認した。本症例では、右室機能障害が三光弁閉鎖不全に先行してみられることを示唆した興味深い症例である。 3.肺動脈縮窄の発症機転に関する研究:肺動脈縮窄は、肺血流減少型疾患に合併する。新生児期早期より継時的に観察しえた26症例中7例に肺動脈縮窄の確定診断をえた。このうち6例は、出生後平均2,2日において、すでに縮窄を示す超音波所見を認めていた。この結果は、肺動脈縮窄症は胎児期にすでに発症していることを示唆するものである。
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