研究概要 |
A)アデノウィルスベクターを用いたラット胎児におけるLacZ遺伝子の発現 〈方法〉在胎13日令ラット胎児肝臓及び羊膜静脈を用い、LacZ遺伝子を組込んだアデノウィルスベクターを注入し、在胎20日令でのLacZ遺伝子の発現を酵素活性,タンパク質,DNAの各レベルで検討。 〈結果及び考察〉 beta-galactosidaseは、4MU-beta-galactosidaseを用い肝臓,脾臓,腎臓で測定。弱汗の活性上昇を確認したが、脳では明らかでなく、本ペクターが脳血液関門を通過しうるかを明らかにしえなかった。さらに、在胎日令をさげて検討したい。又、酵素タンパク発現は抗体を用い、組織染色にてDNA発現は、サザンブロッティング法を用い検討中。 B)ニーマンピック病タイプC(NPC)におけるCa代謝動態と病因解明へのアプローチ 〈方法〉ニーマンピック病タイプC皮膚線維芽細胞を用い 1)細胞内Ca動態をCa^<2+>-Fura-2を用い螢光法で測定し、細胞内コレステロールエステル(CE)化率と比較 2)Caアゴニスト及びアンタゴニストを用い細胞内Ca濃度がCE化に与ぼす影響を検討。 〈結果及び考察〉 NPCでは、コレステロールに比べ細胞内Caの増加がCE化障害を平衡し抑制されかつCaアゴニストにより、CE化障害が改善されることを見出した。このことより、NPCにおける細胞内代謝障害が本症の病因を強くかかわっていることを初めて見出した。
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