小児の潜在性もしくは顕性WPW症候群を伴う上室性頻拍14症例、心室頻拍4例にカテーテルアブレーションを施行した。カテーテルのサイズは10才以上では7フレンチ、10才未満では6フレンチで十分であった。副伝導路電位の記録部位と頻拍中の心房最早期興奮部位とは必ずしも一致しなかったが、副伝導路電位の記録された症例では全例アブレーションに成功した。通電に要するエネルギーは20〜30Watt secで、成功例では数秒以内に副伝導路の離断に成功した。左側壁、左前壁、右前壁例では比較的容易に副伝導路の離断に成功したが、2本以上の副伝導路を有する例は、不成功に終わった。成功率は14例中8例(57%)であった。部位別では右側4例中2例(50%)、左側10例中6例(60%)であった。右中隔例2例は2例とも不成功に終わった。顕性不顕性で分けると、顕性症例9例のうち成功は4例(44%)であり、潜在性は5例中4例(80%)であった。14例中5例(83%)、8本中6本(75%)で初期の研究的臨床例としては、十分な成績と思われる。1例に中等度の大動脈弁閉鎖不全を残したが、これはカテーテルの固さの問題であり、アブレーションの手技とは無関係であった。小児例でも本法は十分臨床応用に耐えうる方法であると思われた。心室頻拍4例中1例でアブレーションに成功した。
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