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1994 年度 実績報告書

表皮細胞におけるCa^<2+>,protein kinase Cの分化誘導機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05670717
研究機関北海道大学

研究代表者

小泉 洋子  北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60113552)

キーワード表皮細胞 / protein Kinase C / SPRR / 乾癬 / カルシウム / サブスタンスP / Keratinecyte / 魚鱗癬
研究概要

1.豚表皮片を用い、神経ペプチドであるサブスタンスPが、表皮細胞のprotein kinase Cを活性化し、inositol 1,4,5-trisphosphateの産生、細胞内遊離カルシウムを上昇させることを報告した(Koizumi H.et al Brit J Dermatol 1992)が、この系では、表皮片にランゲルハンス細胞などの角化細胞以外の細胞の混入、ヒトとの種の違いがある。そこで、培養正常ヒト角化細胞に対するサブスタンスPの影響を検討した。inositol 1,4,5-trisphosphateは一過性に上昇し、3分後に前値に戻った。細胞内遊離カルシウムは、同様一過性に上昇した、この上昇は、細胞外カルシウムEDTAをによりキレートしても認められ、細胞内貯蔵部位からの遊離があると考えた。サブスタンスPは角化細胞増殖作用を示さなかった。このことより、サブスタンスPはヒト表皮角化細胞に対し、イノシトール燐酸を加水分解しinositol 1,4,5-trisphosphateを産生するシグナル伝達をきたすことが示された。細胞増殖をきたさず、その生理作用についてはさらなる検索を要する(Koizumi H.et al.Experimental Dermatology 1994)。
2.正常ヒト皮膚および皮膚疾患において角化の指標となるinvolucri,filaggrin,SPRRを免疫組織染色し、角化の異常について検索した。乾癬、有棘細胞癌、基底細胞上皮腫、尋常性魚鱗癬、水疱型魚鱗癬様紅皮症、SLE、扁平苔癬、湿疹、色素性母斑、悪性黒色腫CTCLについて検索した。SPRRは乾癬、有棘細胞癌、水疱型魚鱗癬様紅皮症、SLE、扁平苔癬において発現が増強し、尋常性魚鱗癬では減弱していた。基底細胞上皮腫は陰性であった(koizumi H.et al.J Dermatol Sci 1994)。先に報告したnPKCηとSPRRの発現は相似しており、SPRRの産生またはcornified envelope形成にnPKCηが関与している可能性があり、さらに検索を進めたい。
insitu hybridization法によるnPKCηのmRNAの発現の局在の検索を行っているところである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Koizumi H.: "Substance P induces inositol 1,4,5-trisphosphate and intracellular free calcium increase in cultured normal human epidermal keratinocytes" Experimental Dermatology. 3. 40-44 (1994)

  • [文献書誌] Koizumi H.: "Differentiation associated localization of sprl in normal human skin and skin diseases" J Dermatol Sci. 8. 71 (1994)

  • [文献書誌] Takano J.: "Ultraviolet action spectra for peroxide generation in human and pig epidermal keratinocytes loaded with dihydroxyrhodamine 123" Arch Dermatol Res. (in press).

  • [文献書誌] Shimizu T.: "Localization of immunoanalogue of erythrocyte protein 4.1 and spectrin in epidermis of psoriasis vulgaris" Histochemistry. (in press).

  • [文献書誌] Fujikawa K.: "Assignment of six patients with xeroderma pigmentosum in Hokkaido area to a variant form" J Radiat Res. 35. 168-178 (1994)

  • [文献書誌] Koizumi H.: "Dermal dendrocyte hamartoma with stubby white hair:A novel connective tissue hamartoma of infancy" J Am Acad Dermatol. 32. 318-321 (1995)

  • [文献書誌] 小泉洋子: "神経ペプチドと皮膚アレルギー" 興和医報. (印刷中).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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