抗核抗体の表皮細胞核への in vivo 結合能の研究-モデルマウスの樹立と応用-

1994 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05670729
• 研究機関: 浜松医科大学
• 研究代表者: 古川 福実 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40156964)
• 研究分担者: 戸倉 新樹 浜松医科大学, 医学部, 講師 (00172156)
• キーワード: ループスエリテマトーデス / MRLマウス / 抗RNP抗体 / MCTD / 抗核抗体 / 皮膚

研究概要

本年度の研究成果は次の通りである。
1)加令MRL/Mp-+/+(MRL/n)マウスで、表皮細胞核に蛍光抗体直接法で免疫グロブリンが沈着する血清をサンプリングした。その血清を、保存(-80℃)していた新生仔マウス由来の培養表皮細胞と反応させた。反応方法は、後固定法によった。高率に、血清の培養表皮細胞核へ結合することが判明した。
2)BALB/Cマウス由来の表皮細胞株によっても同様の結果が得られた。
3)蛍光抗体直接法陽性マウス血清の培養表皮細胞核への結合性は、新生仔マウス由来の細胞が 2)のPam212細胞に較べて、有意の相関性がみとめられた。
4)蛍光抗体直接法陽性マウスでは、血清中の抗RNP抗体が高いことが判った。
以上より、加令MRL/nマウスは、膠原病の1つである混合性結合組織病の皮疹モデルになる可能性が明らかとなった。

研究成果

• [文献書誌] Furukawa,F: "Susceptibility to UVB light in culturecl keratinocytes of cutaneous LE" Dermatology. 189(Suppl). 18-23 (1994)
• [文献書誌] Kanauchi,H: "Effects of cyclosporin A on lupus dermatoses in auto immune-prone MPL/lpr mice" J Dermatol Treat. 5. 187-191 (1994)
• [文献書誌] Kanauchi,H: "Evaluation of the Japanese-Chinese Herbal Medicine,Kampo,for the treatment" J Dermatol. 21. 935-939 (1994)
• [文献書誌] Furukawa,F: "FK 506:therapentic effects on lupns dermatoses in auto immune MRL/1pr mice" Arch Dermatol Res. 287. (1995)
• [文献書誌] 古川福実: "皮膚筋炎の皮膚病変" 診断と治療. 83. 212-214 (1995)
• [文献書誌] 古川福実: "アレルギー性血管炎" 医学のあゆみ. (1995)
• [文献書誌] 古川福実: "皮膚における漢方治療の現況 7.膠原病" 医学書院, 9 (1995)