研究課題/領域番号 |
05670733
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
武藤 正彦 山口大学, 医学部, 助教授 (40175625)
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研究分担者 |
最上 聡 山口大学, 医学部, 助手 (30253149)
濱本 壽昭 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (90238080)
麻上 千鳥 山口大学, 医学部, 教授 (80035188)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 皮膚悪性黒色腫 / 疾患感受性 / HLA多型 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
皮膚悪性黒色腫の疾患感受性形成に関する遺伝要因の血清学的レベルの解析を進め、以下のような成果を納めた。 (1)HLA-B13およびCw6は悪性黒色腫と相関した、(2)HLA-B13は結節型悪性黒色腫患者群(特に抗原頻度)で増加、(3)HLA-B51は末端黒子型黒色腫患者群で増加、結節型黒色腫患者群で逆に減少を示した。これらの相関は、特定のHLA-BおよびCと連鎖不平衡にある免疫応答遺伝子あるいは免疫抑制遺伝子が、腫瘍細胞の膜表面の腫瘍関連抗原(tumor associated antigens;MAGE-1など)あるいは発癌ウイルスなどの外来抗原に対する宿主の免疫応答を規定し、この免疫応答を介して宿主の発癌を調節している可能性を示唆している。(4)HLAとの相関は女性患者群でより強い。従って女性患者のほうが男性患者よりも、HLAが関わる遺伝要因をもつ率が高くなると推測された。 このように、皮膚悪性黒色腫発癌の分子機構解明にHLA遺伝子が深く関わることが明らかとなった。これらの研究成果は難治性疾患である悪性黒色腫の病態解明に貢献するものであり、本邦における遺伝子治療法ならびに予防法の開発への道を招くものと期待される。
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