研究課題/領域番号 |
05670759
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
洞口 正之 東北大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20172075)
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研究分担者 |
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
高橋 昭喜 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (80148874)
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キーワード | 経中隔左房穿刺法 / インターベンショナルラジオロジー |
研究概要 |
我々は経中隔左房穿刺に際し、現在世界的に広く用いられている Mullins Transseptal Sheath Unitに代わる、より侵襲性の低いカテーテルシステムの開発研究を継続している。平成5年度までに、我々が開発した0.032inchの極細径中隔穿刺針および0.018inch中隔穿刺用ガイドワイヤーを用いた、4Frカテーテル(Mallinckrodt社製)の経中隔的左室腔内挿入に成功しているが、左室圧測定および左室造影に際し、心室性期外収縮の出現頻度が高い欠点が判明した。この点を改善すべく、平成6年度には、左室内に挿入しても心室性期外収縮の発生し難い、先端にバルーンを有した経中隔的左室内挿入用カテーテルの開発を試みた。既存の種々のバルーンカテーテルを検討し、我々の0.032inch中隔穿刺針が装填可能で、側孔を有し造影剤の最大注入量が毎秒約10mlのものを作成するには、5Fr以上のカテーテルサイズが少なくとも必要であった。そこで、5Frサイズで有効長61cm、バルーン径8mm、造影剤最大注入速度毎秒8mlの、経中隔的左室挿入用カテーテルを試作した。このカテーテルに加え前述の中隔穿刺用ガイドワイヤーおよび中隔穿刺針で構成された新しいカテーテルシステムを、大動脈弁置換術術後例に臨床応用した結果、バルーンの部分も抵抗無く中隔を通過し、左房内により安全にバルーンカテーテルを挿入することが可能であった。続いて、バルーンを膨らませ左室内へカテーテルの挿入を試みたが、カテーテルに有効な屈曲が無いことと長さの不足により、左室へのカテーテル挿入は不能であった。しかし、交換用ガイドワイヤーを用い、Pigtail Catheterに交換し、左室圧測定、左室造影ともに成功した。今後は円滑に左房から左室へカテーテルが進むよう、先端に有効な屈曲を施す他、穿刺針を含めたカテーテルシステムの有効長の再検討が必要であると考えられた。
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