研究概要 |
1.MR simulation system(MRSS)を円滑に、高精度下で実施するため、ハード面の整備、改良を加えた。 (1)MRIをCTSSのwork stationに転送するため、フロッピィディスクを介在させる方法を確立した。 (2)work stationの操作性と処理速度向上のためハードとソフトをversion upした。 (3)MR装置内での位置精度向上のためポインターを設置した。 (4)MR装置のテーブルの平行性を測定し、補正した。 MRSSの構成は、MR scanner(Phillips GyroscanS15)、work station(YMS RT/Marker)、laser marking system(YMS RT/Marker option)からなる。 MRSSの操作手順は、MR装置において標的を含む範囲内をT1強調画像にて5mmスライス厚でスキャンし、これをwork stationに転送する。work stationのCRT上で各スライスにおける標的輪郭を決め、照射パラメータを入力する。計算された標的中心の位置はlaser marking systemにて体表面に描出され、照射野はcomputed simulated film(CS film)に再構築され、放射線治療器への照射野情報はこのCS filmで伝達される。 2.ファントムを用いたMRSSの精度評価を以下の手順で行なった。 (1)ファントム内に仮想標的を設定し、磁場中心をマークする。 (2)5mmスライスでMRスキャンを行ない、画像をwork stationに転送する。 (3)work stationで仮想標的のアイソセンターと照射野形状を決定する。 (4)ファントムをCT装置に移し、レーザーマーカーシステムを用いてアイソセンターをマークする。 (5)実際のアイソセンターと計算された値を比較する。 (6)同様の操作をCT simulation systemを用いて行ない、MRSSとの精度を比較する。 3.結果 X,Y,Z軸における誤差は平均0.3,0.6,0.8mmと良好で、磁場中心近傍での治療計画は臨床応用可能と考えられた。CTSSとの誤差は最大で2mmであった。 以上の結果から、MRSSの精度は良好で臨床適用に問題がないことが判明した。 4.展望 身体の各領域の放射線治療計画に応用し、MRSSの最も有用な領域、有効な利用方法を決定する。 線量分布の評価方法を確率する。
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