研究概要 |
1.実験動物を用いた拡散画像CTと最適な撮像方法の検討 高分子型造影剤として平均分子量60,000のヨード化澱粉を用い,ファントム実験を行った結果,両造影剤間で著明な透過性の差が見られたため,これを用い動物実験を行った. 実験は家兎VX2腫瘍(大腿部)を対象とし,最初に市販のiopamidol 5mlを耳静脈から5秒間で注入し.直後より5秒間隔で85秒間連続的にCTスキャンを行った.更に,この造影剤による組織濃染が消失するのを確認した後,同じ条件下でヨード化澱粉による撮像を行った.得られた両画像上のそれぞれ対応する部位に関心領域を設定し,時間-濃度曲線を求めた結果,両者間に明らかな差が見られ,それぞれの曲線のプラトーに達した時点での画像を当初の計画通りにsubtractionし拡散画像が得られた. 2.時間-濃度曲線の分析方法と組織内血管床の評価方法 拡散の程度を客観的に評価するため,数値に表す必要がある.このためには時間-濃度曲線の分析が最適であると考え検討の結果,曲線下面積の算定が最も合理的な評価方法であった.即ち,iopamidolによる曲線下面積からヨード化澱粉による曲線下面積を差し引いた面積を拡散の指標と定めた. 組織標本との対比方法として,100倍拡大の顕微鏡写真上で腫瘍,非腫瘍,壊死及び脈管部それぞれの面積を測定する方法を採択した. 平成7年度は拡散指標と組織の詳細な対比を行い,拡散画像の診断的意義の確立を図る.
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