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1995 年度 実績報告書

医用衝撃波観測用可変スペクトル形デュアルフラッシュX線システムの開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 05670783
研究機関岩手医科大学

研究代表者

佐藤 英一  岩手医科大学, 教養部, 助教授 (90154038)

研究分担者 高橋 敬  岩手医科大学, 医学部, 助手 (60128923)
寒河江 康朗  岩手医科大学, 教養部, 助手 (30235197)
木村 真吾  岩手医科大学, 教養部, 助手 (30214878)
志子田 有光  岩手医科大学, 教養部, 助手 (00215972)
大泉 貞治  岩手医科大学, 教養部, 教授 (20048268)
キーワードフラッシュX線 / パルスX線 / プラズマX線 / 衝撃波研究 / 水中衝撃波 / 衝撃波集束 / デュアルフラッシュX線装置 / 画像シミュレーション
研究概要

本研究では、まず試作したデュアルフラッシュX線装置のX線特性を測定し、設計通りの性能を確認した。これらの装置では二方向から同時あるいは1μs 以上の時間間隔で撮影できるほか、同時照射の場合でもX線の最大フォトンエネルギーを必要におおじて変えることができる。
プラズマX線源の生成は、デュアルフラッシュX線装置におけるX線発生法としては有用である。フラッシュX線はコンデンサに蓄積した静電エネルギーを変換することにより得られる。変換効率はプラズマの生成により一桁程高まるばかりではなく、制動放射と比較して特性X線強度が著しく増加する。特性線のフォトンエネルギーはターゲット材により決定されるが、合金あるいは複数個ターゲットを組合せることにより、特性線強度がさらに増加した。
フラッシュX線撮影にはコンピュータラジオグラフィー(CR)システムを採用した。このような特殊撮影では、撮影前、CRシステムによる画像を予想することが大切である。構築したシミュレーションシステムでは、フラッシューX線装置の管電圧と電流に関するデータが取り込まれ、特性線も含んだX線のスペクトル分布が計算される。次にパターン化された被写体とその寸法を入力することにより、X線画像(グレイレベル)をCRT上に現わす。CRシステムによる画像をイメージリーダーで取り込み、被写体の厚みも計算できる。
水中衝撃波現象のX線による可視化を行うために、本研究では数種の衝撃波発生装置を試作した。これらは微小爆発、電気放電、および電磁方式に分けられる。たとえば10mgのアジ化銀ペレットをパルスレーザーを用いて爆発させる、いわゆる微小爆発方式では、水中衝撃波発生源のバブルクラウド、その周囲の密度増加、および衝撃波集束後に結石付近で発生するキャビテーションバブルクラウドの時空間的分布を鮮明にとらえることができた。水中におけるバブルクラウドの成長と消滅の過程は高速度カメラを用いて撮影できるが、不透明な生体中では不可能である。実験では、人体の軟組織とほぼ等価な不透明疑似生体を採用し、水中での場合とは異なるパターンのキャビテーションバブルクラウドの遅延撮影に世界で初めて成功した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] E. Sato, M. Sagae, A. Shikoda, K. Takahashi, T. Oizumi, M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, H. Ojima, K. Takayama, Y. Tamakawa and T, Yangisawa: "High-Speed X-Ray System for Shock Wave Research" Proc. 1995 JSME Spring Annual Meeting (Tokyo). 95-1. 145-148 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤英一,寒河江康朗,志子田有光,木村真吾,高橋敬,大泉貞治,山本真理子,高部明人,坂巻公男,佐々木勝秋,玉川芳春,柳澤融,小原春雄,小島英則,高山和喜: "最近のパルスX線装置と応用" 放射線医学物理. 15 (2). 101-112 (1995)

  • [文献書誌] M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, E. Sato, K. Takahashi, M. Sagae, T. Oizumi, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Plasma-Flash Radiography Utilizing a Molybdenum Target in Dentistry" SPIE. 2549. 206-220 (1995)

  • [文献書誌] T. Oizumi, E. Sato, M. Sagae, M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Dual Flash X-Ray Generator" Proc. 10th Int. Congr. of Radiation Research (Wurzburg). 115 (1995)

  • [文献書誌] M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, E. Sato, K. Takahashi, M. Sagae, T. Oizumi, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Plasma Flashi X-Ray Generator" Proc. 10th Int. Congr. of Radiation Research (Wurzburg). 116 (1995)

  • [文献書誌] 高橋敬,寒河江康朗,佐藤英一,大泉貞治,高部明人,山本真理子,坂巻公男,林保臣,小原春雄,玉川芳春,柳澤融: "合金プラズマターゲットからのX線スペクトル-銅-タングステンの場合-" 高速度撮影とフォトニクスに関する総合シンポジウム1995講演論文集. 127-132 (1995)

  • [文献書誌] 小原春雄,佐藤英一,寒河江康朗,大泉貞治,高橋敬,小島英則,高山和喜,玉川芳春,柳澤融: "高電圧イグナイトロンパルサを用いたフラッシュX線装置" 高速度撮影とフォトニクスに関する総合シンポジウム1995講演論文集. 133-138 (1995)

  • [文献書誌] 山本真理子,高部明人,坂巻公男,佐藤英一,寒河江康朗,大泉貞治,林保臣,小島英則,高山和喜,玉川芳春,柳澤融: "歯科領域でのモリブデンプラズマフラッシュX線撮影" 高速度撮影とフォトニクスに関する総合シンポジウム1995講演論文集. 293-300 (1995)

  • [文献書誌] T. Oizumi, E. Sato, M. Sagae, A. Shikoda, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Dual Underwater Shock-Wave Generator" Ann. Rep. Iwate Med. Univ. Sch. Lib. Arts Sci.30. 1-6 (1995)

  • [文献書誌] T. Oizumi, E. Sato, M. Sagae. A. Shikoda, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Fundamental Study on the Underwater Spark Discharge for Producing Wide-Pressure-Range Shock Waves Using a Polarity-Inversion High-Voltage Pulser" Ann. Rep. Iwate Med. Univ. Sch. Lib. Arts Sci.30. 7-16 (1995)

  • [文献書誌] E. Sato, T.Oizumi, M. Sagae, A. Shikoda, M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, K. Takahashi, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Trial Experiment for Producing Kilohertz-Range Underwater Shock Wave by Using a Repetitive Thyratron Pulser" Ann. Rep. Iwate Med. Univ. Sch. Lib. Arts Sci.30. 17-22 (1995)

  • [文献書誌] E. Sato, T. Oizumi, M. Sagae, A. Shikoda, M. Yamamoto, A. Takabe, K. Sakamaki, K. Takahashi, Y. Tamakawa and T. Yanagisawa: "Fundamental Study for Producing Wide-Pressure-Range Underwater Shock Waves by a High-Energy Ignitron Pulser" Ann. Rep. Iwate Med. Univ. Sch. Lib. Arts Sci.30. 23-31 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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