我々は正常組織と腫瘍組織での血管作動性物質(ヒドララジン)の血流改変と酸素分圧への影響を検討した。また、このヒドララジンによる温熱併用による抗腫瘍効果を調べた。用いた腫瘍系はC3/Heマウスに移植可能なScc-7腫瘍である。ヒトララジンは腹空内投与を行った。温熱処理は恒温槽で行った。血流の測定はLaser Dopplerで行った。酸素分圧の測定はポーラログラフイーで行った。抗腫瘍効果は腫瘍成長遅延で行った。腫瘍組織内の血流、酸素分圧はヒドララジンの投与で著名に減少した。温熱単独、ヒドララジン単独に比べ、温熱、ヒドララジシ併用することで、有意の減少を認めた。また、温熱、ヒドララジン併用でもヒドララジンンの投与量の増加に従い、血流は有意に減少した。正常組織では温熱単独、ヒドララジンン単独、併用でも、血流の影響は認めなかった。腫瘍組織では温熱(43℃、20分)とヒドララジンン併用で腫瘍の成長遅延を認めた。我々の結果は血流作動性物質(ヒドララジンン)で血流、酸素分圧の明らかな減少を認めた。
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